角川文庫キャラ文通信
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大人気シリーズ「バチカン奇跡調査官」の最新刊が登場です! 美貌の天才科学者にして、真理究明の申し子・平賀と、古文書と暗号解読のエキスパート・ロベルトが、世界中の難事件を解き明かす大ロングセラー。その最新刊に込められた思いについて、作者の藤木稟さんにお伺いしました!
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──今作は、計四編が収録された短編集です。平賀とロベルトの主人公コンビはもちろん、ジュリアやビルなど様々なキャラの魅力が詰まった短編集ですが、それぞれの短編の読みどころを教えていただけますか?
藤木:近年、イタリアでは年間五〇万件もの憑依の訴えがあり、エクソシストを求める声が高まっているそうです。エクソシストの資格を持つロベルトにとっても、それは他人事でなく。「ベアトリーチェの踊り場」では、宝石店に出没する悪霊に、霊感ゼロの平賀と共に挑みます。
二編目は、ジュリアがルッジェリの為、恒例の誕生日パーティを設えるという、「素敵な上司のお祝いに」。豪華なコース料理と共に、二人の悪巧みやしがらみをご堪能ください。
FBI捜査官ビルの婚約者、エリザべートの一日を描いた書き下ろし「マスカレード」は、「ラプラスの悪魔」事件の後日談ですので、あわせてお読みいただければ幸いです。
四編目では、奇跡調査のサポート役であるシン博士の、知られざる前世や心の声が明らかになっていますので、お楽しみに。
──バラエティに富んだ内容ですね! ちなみに四編のなかで、一番書いていて楽しかった作品はありますか?
藤木:一番二番というのはありませんが、気に入っている場面はそれぞれにあります。当ててみてください。
──藤木さんのお気に入りシーン……気になります。ところで短編を書く際には、どのようなことを意識して書かれているのでしょうか。長編を書くときとの違いはありますか?
藤木:バチカンシリーズの本編では、登場人物が大抵、緊急事態の中にあったり、忙しくしていますので、「短編では、キャラの日常やのんびりした休日の話を」と、担当さんから言われることがあり、私もそのような意識をもって話を考え始めるのです。が、気付くとネタを盛り込んでしまい、キャラを働かせている場合が多いです。ですので、作り方は短編も長編もさほど変わりません。違うのは、集中力の継続時間の長短でしょうか。
──今後、短編集で書いてみたいキャラクターやアイデア、設定などはありますか?
藤木:今回うっかり枚数計算を間違えて、あと一編書かなくては一冊分の枚数に足りないと思い込み、ローレンの話を書き始めていたのですが、再計算すると書く必要がなかったというオチがあり(笑)。次回はそれを書きます。あとはノーアイデアです。どうしましょう。
──個人的には定番ですが、平賀とロベルトの名コンビぶりを、ぜひ楽しみたいです。でもこの次はシリーズ本編(長編)が刊行予定ですね。
藤木:タイトルは「アダムの誘惑」になる予定です。内容は……まだ秘密です(笑)。
──気になりますが、楽しみにお待ちしております! それでは最後に、読者に一言メッセージをお願いします。
藤木:読者の皆さまに支えていただき、楽しんでいただいてこそ、シリーズを続けることができます。時々送ってくださるお手紙にも、とっても勇気づけられています。今後とも、皆さんの好奇心やワクワク感を刺激する小説作りに挑戦していきますので、応援宜しくお願いいたします。
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