最近、本屋さん行きましたか?
このコーナーでは、いろんな町の本屋さんに、新人編集者が突撃。
おススメの本からアッと驚く裏話まで、書店員さんにじっくり伺ってきました。

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僕がときわ書房で働き始めたのは2000年の3月からです。
今でこそ、いろんなところで解説や帯コメントを書かせていただいていますが、最初は当時上司だった文芸評論家の茶木則雄さんから「ミステリ好きなら、解説書いてみる?」とアガサ・クリスティの文庫解説を任されたのがきっかけでした。

うちのお店がいちばん他のお店と違う点としては、全国的に今売れているものではなく、もっとこれから流行るだろう、こういう本が来るだろう、と思った本を押し出していることです。目標はうちで売れた本が、2、3か月後に他のお店の店頭に並んでいること。
今までの例で言えば、月村了衛さんは『機龍警察 暗黒市場』がブレイクする前から早川書房さんと一緒になって応援していましたし、伊坂幸太郎さんも今のような国民的作家になる前から、ヨソよりはやくプッシュしていました。

数えているわけではありませんが、本は月にだいたい30~40冊くらい目を通しているように思います。毎年4月から7月は、一次選考委員を務めている新人賞(「『このミステリーがすごい!』大賞」と「新潮ミステリー大賞」)の下読みもあります。それぞれが30~40作品あるので、本当に読む時間がないんですよね。どうやって読む時間を捻出しているかというと、例えば20分時間ができたら「読みます!」、電車に乗ったら10分「読みます!」、寝るときも、どれだけ眠くても15分「読みます!!」と時間を区切って、なんとか時間を確保しています。昔みたいにまとまった時間でゆっくり読書をするというのは、なかなか難しいですね。だから、本を読んでいる間はスマホを触ったり、ラインを開いたりはしません。こうやって一生懸命読んでいる中で、傑作に出会えた瞬間はすごく嬉しいですね。

今はネットで本を買う人が増えていますが、実際の書店に一歩踏み出さないと、同じ系統の本にしか出会えないと思います。例えばミステリーが好きで、ミステリーばかりネット書店で購入していれば、サジェスト機能で同種のミステリーは出てくるかもしれません。しかし、例えばその書中にでてきたギミックについてかかれた学術書など、全く接点がない本についてはおすすめしてもらえませんよね。書店をぐるりと一周してもらえれば、そういった本に出会える可能性があります。

ときわ書房はエンタメ本が多い書店です。
退屈だな、今日はいいことなかったな。そうだ、ときわ書房に行ってみるか。
そんな風に思ってもらえる書店になりたいと思っています。
退屈が吹き飛ぶような一冊を準備して待っています。
是非、そんな本に出会いに来てください。

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<宇田川さんのおすすめ本>

『カミカゼの邦』(徳間書店)神野オキナ
突如勃発した沖縄での“戦争”で、小隊をひきいていた一人の男。彼が戦争後、東京に移ってから、かつての義勇軍の精鋭を呼び戻し奮闘する、国際謀略アクションです。
ページから血肉が溢れてくるのでは、と思うほどの描写も素晴らしいですが、
沖縄出身の人ならではの、日本に対して抱えている思いもしっかりと綴られています。
この本は、ただのエンタメ小説ではありませんよ。

こちらもおすすめ
  ○『東の果て、夜へ』(早川書房)ビル・ビバリー 熊谷千寿訳
  ○『13・67』(文藝春秋)陳浩基 天野健太郎訳
  ○『機龍警察 狼眼殺手』(早川書房)月村了衛
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