

親友に告白されたい。そして失恋させたい。
かけがえのない友情のため、罪深い作戦が幕を開ける!
あらすじ
30歳目前に婚約した千鶴は、自分への恋心を隠す親友の響貴に「告白させてから、断る」秘密の計画を立てていた。
いびつな告白大作戦は、予想外に展開し――。
ものわかりのいい私たちを揺さぶる、こじれまくった恋と友情!
試し読み
登場人物紹介
書籍情報
登場楽曲紹介
本作品の登場人物・有永千鶴が特別な思い入れを持っている楽曲として、住野よるさんも偏愛するロックバンド・a flood of circle が2017 年に発表した「Honey Moon Song」が登場します。
著者コメント
登場人物達に出会う際、生み出すというよりは見つけるという感覚でいます。今作『告白撃』の有永千鶴とは、a flood of circle のライブ会場で出会いました。ストーリーが先に出来上がり、それからこんな経験をするのはどんな人物だろうと模索する日々の中、代々木公園で開催されたフラッドのライブを見に行きました。あの日の感覚を言葉にするとしたら、やっぱり見つける以外にないと思います。ライブ中にふと、千鶴が今、代々木公園に来ているような気がしたんです。フラッドの大ファンである彼女のことを急激に理解していくうちに、彼女ならきっと曲を仲間の前で口ずさむこともあるだろうと考えました。そこでフラッドに「うちの子が大好きなんですけど、作中で歌詞を出してもいいですか?」と訊いたら、快くOKをいただきました!ありがとうございます!!僕も千鶴と同じく、『Honey Moon Song』が大好きです。
a flood of circle ボーカル・佐々木亮介さんよりコメント
昔彼は、a flood of circle の"月面のプール"という曲を聴きながら"よるのばけもの"を執筆したと聞いた。
僕は、彼自身のセルフタイトルのようなその小説を読んで、深夜のとある集合場所でだけ本音を曝け出せる、というイメージを得た。
代々木公園で初めて演奏した"Party Monster Bop"という曲にはそれが染み込んでいたと思う。
その代々木公園でのライブで、彼は新しい小説"告白撃"の登場人物のイメージを得た(見つけた)らしい。
"Honey Moon Song"が小説の中で鳴り響くなんて思いもしなかった。
未来のことは誰も知らない。
そしてまた新しいイメージを得ているところ。
住野くん、俺たち違う場所で、でもきっと同時に何かしでかしてやろうと蠢いてきたね。
何度物語が終わっても始め続けてくれてありがとう。
まだ生きてる訳だし。
行けるところまで行こうね。
応援の声
著者プロフィール
住野よる(すみの・よる)
高校時代より執筆活動を開始。2015年、デビュー作『君の膵臓をたべたい』がベストセラーとなり、累計部数は300万部を突破。23年『恋とそれとあと全部』で第72回小学館児童出版文化賞を受賞。他の著書に『また、同じ夢を見ていた』『よるのばけもの』『か「」く「」し「」ご「」と「』『青くて痛くて脆い』、「麦本三歩の好きなもの」シリーズ、『この気持ちもいつか忘れる』『腹を割ったら血が出るだけさ』がある。乾杯するのが好き。
著者からのメッセージ
初めましての方は初めまして、知ってくださってる方はありがとうございます、住野よるです。この度、第11作目となる『告白撃』を出版いたします。読み方は「こくはくげき」です。固いタイトルですが、エモいラブコメのつもりです。今作の特徴は、主要登場人物が全員約三十歳の大人であること、彼ら彼女らが到底大人とは思えない作戦を企てること、そして住野よる史上最も酒量の多い作品であることです。仕事の合間にゲームして音楽聴いていっぱい酒飲んでたまに友達と大事な話をして、自分達の未来を輝かしいものにしたいと笑顔で願う大人達の、ふざけてるように見えるけど真剣な奮闘を是非楽しんでもらえたら嬉しいです。
読了後はみんな愛おしくて少し泣きそうになっていた。
こんな最強の友情を育んできた千鶴たちが羨ましい......!
でも実は違っていて、仲間たちとそんなことを言い合えるような関係がずっと続くなら、青春みたいな気持ちだってずっと続くのだ。
いい大人たちが本気で取り組む真剣な悪ふざけ、楽しくて瑞々しくてちょっと苦い、最高のエンターテインメント小説だ。
あの頃、住野作品が好きで読んでいた人たちに是非読んでほしい。またハマるから!
やっぱり住野よる最高だからー!!
切なくて、苦しくて、もどかしくて、これって10代の甘酸っぱい恋だけじゃないんだ。
いくつになっても人を想う気持ち、伝わらない気持ち、伝えられない気持ちは心を締めつける。
もう、みんな読んで!そして悶えて!撃ち抜かれて!
懐かしさ切なさと、キラキラの眩しさからくる感情。
友達って最高で最悪でどうしたって離れられなくて、知ってるつもりで全然わかってなくて、
思いやりも矛盾もすれ違いも全てが愛おしくて、家族でも恋人でもなくて、
でもお互いに大切な存在なんだと気付かされました。
デビュー作を発売当時読んでいた読者がこの作品の登場人物たちと世代が横並び、近づいてきた時の流れもあり、その人達には作品の浸透度に計り知れないものがある予感!
作品内でのやろうとしていることは褒められた事ではないかもしれないが、
自分ではなく相手を何より“大切”に想う気持ちが散りばめられていて、
だからこそのもどかしさも含めてとても読み応えがありました。