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書籍情報



  • 東大卒&東大生作家による「東大ミステリ」アンソロジー!

    東大に名探偵はいない

    • 著者 市川憂人
      著者 伊与原新
      著者 新川帆立
      著者 辻堂ゆめ
      著者 結城真一郎
      著者 浅野皓生
    • 発売日 2023年1月27日
    • 定価 1815円(本体1650円 + 税)

    収録作
    「泣きたくなるほどみじめな推理」 市川憂人
    1995年、憧れの従姉を失った私は、彼女の痕跡を探すため東大の文芸サークルに入った。

    「アスアサ五ジ ジシンアル」 伊与原 新
    地震研に突然届いた1枚のはがき。虹で地震を予知したという「ムクヒラの電報」との関連は。

    「東大生のウンコを見たいか?」 新川帆立
    東大卒のミステリ作家・帆立は、親友リリーとともに農学部で起きたウンコ盗難事件の犯人を探す。

    「片面の恋」 辻堂ゆめ
    五月祭の準備中、クラスメートの熱烈な恋を一瞬にして冷めさせた「片面」の意味とは。

    「いちおう東大です」 結城真一郎
    美しく完璧な妻がまっさきに提示した新居の条件は、「東大が見えるところ」だった。

    「テミスの逡巡」 浅野皓生 (東大生ミステリ小説コンテスト大賞受賞作)
    卒業生の医師を取材した学生メディア「UTディスカバー」のもとに、彼は人殺しだという告発状が届く。

    収録作
    「泣きたくなるほどみじめな推理」 市川憂人
    1995年、憧れの従姉を失った私は、彼女の痕跡を探すため東大の文芸サークルに入った。

    「アスアサ五ジ ジシンアル」 伊与原 新
    地震研に突然届いた1枚のはがき。虹で地震を予知したという「ムクヒラの電報」との関連は。

    「東大生のウンコを見たいか?」 新川帆立
    東大卒のミステリ作家・帆立は、親友リリーとともに農学部で起きたウンコ盗難事件の犯人を探す。

    「片面の恋」 辻堂ゆめ
    五月祭の準備中、クラスメートの熱烈な恋を一瞬にして冷めさせた「片面」の意味とは。

    「いちおう東大です」 結城真一郎
    美しく完璧な妻がまっさきに提示した新居の条件は、「東大が見えるところ」だった。

    「テミスの逡巡」 浅野皓生 (東大生ミステリ小説コンテスト大賞受賞作)
    卒業生の医師を取材した学生メディア「UTディスカバー」のもとに、彼は人殺しだという告発状が届く。




収録作品紹介


「泣きたくなるほどみじめな推理」
市川憂人

1995年、阪神・淡路大震災が起き、大切な従姉妹・史乃姉さんを喪ったその年に、私は東大に入学した。史乃姉さんの所属していた文芸サークルに加入し半年以上が経つが、彼女と従姉妹であることは会員たちに明かしていない。私しか合鍵を持っていないはずの彼女の部屋に侵入し、本棚一段分の本を丸ごと持ち去った犯人が、きっとこの中にいるからだ。




「アスアサ五ジ ジシンアル」
伊与原 新

「アスアサ五ジ ナガノ ジシンアル」。東大の地震研究所に届いたはがきには、その一行だけが記されていた。長野で震度5強の地震が起きたのは昨日のことで、はがきの消印は一昨日。かつて「虹で地震予知をする」と注目を浴びた、自称〝地震研究家〞椋平広吉の電報に文面が酷似している。これはよくあるイタズラの一種なのか、それとも――。




「東大生のウンコを見たいか?」
新川帆立

ミステリー作家の新川帆立は、東大で刑法学の准教授を務める友人リリーからある事件の相談を受ける。人糞から飲用水を作る研究をしている農学部の学生が、何者かによって汚物タンクに突き落とされたのだという。さらに事件現場からは、学生が運搬していた人糞が消えていた――。帆立&リリーのコンビはウンコ泥棒の特定に動き出す。




「片面の恋」
辻堂ゆめ

本郷キャンパスで開催される学園祭「五月祭」では、1年生がクラスごとに模擬店を出すのが恒例だ。休日に集まって「焼肉ホットサンド」の試作をしながら、クラスメートの八文字くんの初恋を見守っていた私は、帰り道に異変に気が付く。彼の熱烈な恋は、この日一気に冷めてしまったようなのだ。片面は、さすがに――。謎のつぶやきの意味とは。




「いちおう東大です」
結城真一郎

美しく完璧な妻がまっさきに提示した新居の条件は、「東大が見えるところ」だった。訝しみながらも本郷キャンパス近くではじめた新婚生活は順風満帆そのもので、仕事の方も絶好調だ。すべては、東大卒だからとレッテルを貼らずにありのままの自分を認め、「東大の呪縛」から解き放ってくれる妻のおかげ、そう思っていたのだが……。




「テミスの逡巡」
浅野皓生

学生メディア「UTディスカバー」に所属する橋部は、既定路線からはみ出して活躍する卒業生を取材している。30歳までは弁護士という異色の経歴を持つ医師・伊田への取材のなかで、転身の契機は法律の限界を知ったことだと語る伊田に、橋部はなぜか強烈な不穏を感じていた。無難に書き上げた記事を公開した1週間後、伊田は人殺しだという告発状が届く。




著者6名による感想リレー




著者プロフィール



市川憂人(いちかわ・ゆうと)

1976年神奈川県生まれ。東京大学卒業。2016年『ジェリーフィッシュは凍らない』で第26回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。他の著書に『ブルーローズは眠らない』『グラスバードは還らない』『ボーンヤードは語らない』『神とさざなみの密室』『揺籠のアディポクル』『断罪のネバーモア』『灰かぶりの夕海』がある。




伊与原新(いよはら・しん)

1972年、大阪府生まれ。神戸大学理学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科で地球惑星科学を専攻し、博士課程修了。2010年、『お台場アイランドベイビー』で第30回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、デビュー。19年、『月まで三キロ』で第38回新田次郎文学賞を受賞。20年刊の『八月の銀の雪』が第164回直木三十五賞候補、第34回山本周五郎賞候補となり、2021年本屋大賞で6位に入賞する。近著に『オオルリ流星群』がある。




新川帆立(しんかわ・ほたて)

1991年アメリカ合衆国テキサス州ダラス生まれ。宮崎県宮崎市育ち。東京大学法学部卒業、同法科大学院修了後、弁護士として勤務。第19回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、2021年『元彼の遺言状』でデビュー。他の著書に『先祖探偵』、「競争の番人」シリーズなどがある。






辻堂ゆめ(つじどう・ゆめ)

1992年神奈川県生まれ。東京大学卒業。大学在学中、第13回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞。2015『いなくなった私へ』で作家デビュー。21年『十の輪をくぐる』が第42回吉川英治文学新人賞候補。22年『トリカゴ』で第24回大藪春彦賞受賞、『卒業タイムリミット』がNHK総合で連続ドラマ化。他の著作に『あなたのいない記憶』『あの日の交換日記』『君といた日の続き』など。






結城真一郎(ゆうき・しんいちろう)

1991年、神奈川県生まれ。東京大学法学部卒業。2018年『名もなき星の哀歌』で第5回新潮ミステリー大賞を受賞し、19年に同作でデビュー。20年『プロジェクト・インソムニア』を刊行。21年「#拡散希望」で第74回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。22年、『救国ゲーム』が第22回本格ミステリ大賞の候補作に選出。近刊は『#真相をお話しします』。




浅野皓生(あさの・こうせい)

2001年、東京都生まれ。東京大学法学部三年。「殺人犯」(「テミスの逡巡」と改題)で東大生ミステリ小説コンテスト大賞を受賞。



コメント



東大内外から、感想到着!

探偵、いるじゃん。でも、「名探偵」ではないのかもしれない。
──河村拓哉(QuizKnock)
「東大? 興味ないわ」という人にこそオススメしたい一冊。
作家たちの技巧と、学生たちの本音が堪能できます!
──瀧井朝世
「めっちゃありそう」な東大から、「何じゃこりゃ」な東大までが詰まった1冊。笑ったり気持ち悪くなったりドキッとしたり、良くも悪くも「東大」に振り回される……かも?
──東京大学新聞編集部 Y.T.
この「気持ち悪」さ、まさに東大!
知性、科学、倫理……その頂点を、東大はよく期待されます。頂点はしかし、上下を返せば深い谷底になる。谷底の気持ち悪さにひりつきました。極みと歪みが混じり合う短編集です。
──東京大学新聞編集部 R.M.


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