監禁された翻訳者の手記──
『シークレット・オブ・シークレッツ』翻訳秘話
【第2回】
2025年11月6日に発売されたダン・ブラウン最新作『シークレット・オブ・シークレッツ』の翻訳秘話が詳細につづられた、翻訳者・越前敏弥氏の日記を大公開! ダン・ブラウン作品として原書の発売日から史上最速での邦訳刊行となった『シークレット・オブ・シークレッツ』は一体どのようにして実現したのか? 超貴重な翻訳者の仕事内容、進め方、興奮から心の葛藤まで、実際の日記でお楽しみいただけます。
◎5月14日(水)
・もろもろの雑用をすませ、午後から1週間ぶりに出社。福岡土産は、かっぱえびせんの明太子味と博多ラーメンのカップ麺。
・いよいよ、自分自身の訳出作業を開始。初日は足慣らしという感じで、10ページ。全部で700ページ近いので、今後、フルタイムでやる日は、1日20ページ程度進めないとたぶん終わらない。
・毎日翻訳作業をするとなると、PCの横に置く書見台が必要なので、使い慣れたものを持ちこむ。青木さんも同じ型のものを置いていたが、これは偶然ではなく、たぶん20年ぐらい前に翻訳クラスで勧めたからだ。使い勝手がいいから、いまも使っている。
・いよいよ、自分自身の訳出作業を開始。初日は足慣らしという感じで、10ページ。全部で700ページ近いので、今後、フルタイムでやる日は、1日20ページ程度進めないとたぶん終わらない。
・毎日翻訳作業をするとなると、PCの横に置く書見台が必要なので、使い慣れたものを持ちこむ。青木さんも同じ型のものを置いていたが、これは偶然ではなく、たぶん20年ぐらい前に翻訳クラスで勧めたからだ。使い勝手がいいから、いまも使っている。
◎5月15日(木)
・大学の授業のあと、数時間だけ出社して訳出作業。
・青木さんから来ているメモの冒頭部分には、2月のプラハの平均気温、日の出と日の入りの時刻、ニューヨークとの時差などがまとまっている。さすが、長編作品の翻訳でこういう情報がすごく重要だということがよくわかっている。ありがとう。
・きょうから廣瀬さんが訳出作業に加わる。マックユーザーなので、今回のWindows&一太郎の設定にとまどい、初日はなかなか進まなかったらしい。
・夜に、7月以降の読書会やさまざまなイベントの告知文などをすべて書いてしまう。これでいよいよダン・ブラウンに専念できる。
・青木さんから来ているメモの冒頭部分には、2月のプラハの平均気温、日の出と日の入りの時刻、ニューヨークとの時差などがまとまっている。さすが、長編作品の翻訳でこういう情報がすごく重要だということがよくわかっている。ありがとう。
・きょうから廣瀬さんが訳出作業に加わる。マックユーザーなので、今回のWindows&一太郎の設定にとまどい、初日はなかなか進まなかったらしい。
・夜に、7月以降の読書会やさまざまなイベントの告知文などをすべて書いてしまう。これでいよいよダン・ブラウンに専念できる。
◎5月16日(金)
・締め切りや刊行までのもろもろのスケジュールがほぼ決まり、KADOKAWAの3人と越前で打ち合わせ。訳稿の締め切りは7月4日(金)で、9月9日の日米同時発売は断念することになり、11月上旬刊行をめざす。質の高い訳書を世に出すために、こういうところで無茶な要求をせず、翻訳者の権利をしっかり守ってくれるからこそ、KADOKAWAとの良好な信頼関係がもう20年以上つづいている。
・訳書の名義は越前単独だが、ほかのチームメンバー5人の名前を訳書のどこかに入れてもらうことで合意。ついでに、つぎのダン・ブラウン作品は青木さんとの共訳にしたいということも、この機会に伝える。
・松原さんから、ついに瓢月堂のBTBサブレが届いた! これはワインのお供に最高なのだが、監禁室で酒を飲む気はない(契約書では禁じられていなかったと思うけど)。ともあれ、これは極上のおやつ。出社が楽しくなる。
・第2回締め切り。まあ、1、2日遅れになった人もいるが、かなり無理なスケジュールで進めているから、その程度はやむをえまい。
・きのう、『ダ・ヴィンチ・コード』の編集者だった武内さんからコーヒーゼリーとプリンの差し入れがあったらしい。きょう、ありがたくいただく。
・フィルムアート社の新刊『ペットを愛した人たちがペットロスについて語ったこと』(サラ・ベイダー、佐藤弥生&茂木靖枝訳)を、茂木さんから全員がもらう。
・訳書の名義は越前単独だが、ほかのチームメンバー5人の名前を訳書のどこかに入れてもらうことで合意。ついでに、つぎのダン・ブラウン作品は青木さんとの共訳にしたいということも、この機会に伝える。
・松原さんから、ついに瓢月堂のBTBサブレが届いた! これはワインのお供に最高なのだが、監禁室で酒を飲む気はない(契約書では禁じられていなかったと思うけど)。ともあれ、これは極上のおやつ。出社が楽しくなる。
・第2回締め切り。まあ、1、2日遅れになった人もいるが、かなり無理なスケジュールで進めているから、その程度はやむをえまい。
・きのう、『ダ・ヴィンチ・コード』の編集者だった武内さんからコーヒーゼリーとプリンの差し入れがあったらしい。きょう、ありがたくいただく。
・フィルムアート社の新刊『ペットを愛した人たちがペットロスについて語ったこと』(サラ・ベイダー、佐藤弥生&茂木靖枝訳)を、茂木さんから全員がもらう。
◎5月17日(土)
・出社せず。
・朝日カルチャー新宿の講座と、仲俣暁生さんとの公開対談。これで5月の講座はすべて終了。6月はすべて休講にはできないので、合同講座も含めた2コマだけオンラインでおこなう予定。
・さまざまな告知文などもほぼ仕上げる。noteが下書きだらけになっている。
・朝日カルチャー新宿の講座と、仲俣暁生さんとの公開対談。これで5月の講座はすべて終了。6月はすべて休講にはできないので、合同講座も含めた2コマだけオンラインでおこなう予定。
・さまざまな告知文などもほぼ仕上げる。noteが下書きだらけになっている。
◎5月18日(日)
・10時ごろ出社だと、14時ごろに眠くなるが、やっぱり仮眠コーナーへ行くのは気が引ける。歯を食いしばってがんばる。
・今回の翻訳作業でいちばんきびしいのは、ふだんPDFやワード原稿の英文でおこなっている原文検索ができないこと。それができないと、訳語の統一などに不安が残る。この仕事をはじめた20世紀の終わりごろには、原文データなどもらわずに紙の原書で作業していたのだから、それがあたりまえだったのだが、昔にもどれと言われてもすぐにはなかなかむずかしい。特にこの作品はページ数が多く、いちいち覚えていられない。
・いつの間にか掃除機が置かれている。ちょっといい気分。
・越前は千代田区のチャイムが鳴る17時ぴったりに退社することが多い。下校時間をしっかり守るよい子でありたい。
・今回の翻訳作業でいちばんきびしいのは、ふだんPDFやワード原稿の英文でおこなっている原文検索ができないこと。それができないと、訳語の統一などに不安が残る。この仕事をはじめた20世紀の終わりごろには、原文データなどもらわずに紙の原書で作業していたのだから、それがあたりまえだったのだが、昔にもどれと言われてもすぐにはなかなかむずかしい。特にこの作品はページ数が多く、いちいち覚えていられない。
・いつの間にか掃除機が置かれている。ちょっといい気分。
・越前は千代田区のチャイムが鳴る17時ぴったりに退社することが多い。下校時間をしっかり守るよい子でありたい。
◎5月19日(月)
・廣瀬さんも日記をつけている。食べ物のことばかりだったりするが、監禁日記の書き忘れや抜けがあったときに参考にさせてもらおう。
・訳出作業でようやくエンジンがかかってきた。どういう感じでやれば1日20ページになるのか、だいたい見えてくる。
・原文のデータ検索ができないので、いくつかの単語については訳語を書き留めていく。たとえば、ある登場人物が着ているものが英語ではcloakやcoatやcapeなど、同じものなのにいろいろな単語で呼ばれるが、訳語は「外套」で統一する、とか。
・きょうは下校時刻の10分前に帰り、飯田橋の駅前でチャイムを聞く。
・訳出作業でようやくエンジンがかかってきた。どういう感じでやれば1日20ページになるのか、だいたい見えてくる。
・原文のデータ検索ができないので、いくつかの単語については訳語を書き留めていく。たとえば、ある登場人物が着ているものが英語ではcloakやcoatやcapeなど、同じものなのにいろいろな単語で呼ばれるが、訳語は「外套」で統一する、とか。
・きょうは下校時刻の10分前に帰り、飯田橋の駅前でチャイムを聞く。
◎5月20日(火)
・久野さんと青木さんは朝一番(7時半ごろ)に来て、帰りは14時過ぎにエネルギー切れで帰ることが多い。ふたりで競争しているかのようだ。
・茂木さんの調子が悪く、咳きこんでいるのが心配。少し前に味覚・嗅覚がなくなったらしい。
・ダン・ブラウンの翻訳はチームでやっていて、チェッカーがはいったうえで、最後に越前が直すわけだけど、もちろん原文は隅々まで読んで、ほかの作品と同じようにいろいろ迷いながら訳文を作っていく。そのなかで、自分のいちばんの出番は、なんと言ってもことば遊びや暗号が出てくる個所であり、これについてはメンバーの訳をそのまま採用することはほとんどない。最も時間をかけて作業する部分だ。
・きょうは好調で、エンジン全開。せっかくなので下校時刻より1時間延長して、20ページ以上進む。夕食は飯田橋東口の高はし。チャーシュー麺を頼んだけど、ここはワンタン麺が名物なんだな。次回はそれでいこう。
・茂木さんの調子が悪く、咳きこんでいるのが心配。少し前に味覚・嗅覚がなくなったらしい。
・ダン・ブラウンの翻訳はチームでやっていて、チェッカーがはいったうえで、最後に越前が直すわけだけど、もちろん原文は隅々まで読んで、ほかの作品と同じようにいろいろ迷いながら訳文を作っていく。そのなかで、自分のいちばんの出番は、なんと言ってもことば遊びや暗号が出てくる個所であり、これについてはメンバーの訳をそのまま採用することはほとんどない。最も時間をかけて作業する部分だ。
・きょうは好調で、エンジン全開。せっかくなので下校時刻より1時間延長して、20ページ以上進む。夕食は飯田橋東口の高はし。チャーシュー麺を頼んだけど、ここはワンタン麺が名物なんだな。次回はそれでいこう。
◎5月21日(水)
・10代がえらぶ海外文学大賞のノミネート22作発表。選考委員の仕事は、この大半を読んで、数週間後に7作にしぼることだが、自分がすでに読んでいるのは3作だけなので、やはり辞退した判断は正しかった。それでも、きょうからは行き帰りの電車で、1次選考に残った本を少しずつ読み進めることにしよう。辞退したとはいえ、関連するトークイベントや授賞式には出ていろいろ話す機会があるから。
・きょうは思い立って、朝6時半に監禁室入り。一番乗り! 7時半ごろにはいってきた久野さんの顔が、一瞬恐怖で凍りつく。「なんでいるの?」という顔だ。
・検査の結果、茂木さんはコロナやインフルエンザではなかったようで、少し安心。調子もかなりよくなっている。
・雑談をしていて、いちばん若い廣瀬さんが「さくら銀行」を知らなかったので、老兵たち(だれとは言わない)は仰天する。
・早く来たこともあり、16時20分にノルマを終えて、下校時刻よりかなり前に早帰り。
・夜に久々にマッサージを受ける。疲れていて爆睡し、たぶん8割以上寝ていた。ちょっともったいない。
・きょうは思い立って、朝6時半に監禁室入り。一番乗り! 7時半ごろにはいってきた久野さんの顔が、一瞬恐怖で凍りつく。「なんでいるの?」という顔だ。
・検査の結果、茂木さんはコロナやインフルエンザではなかったようで、少し安心。調子もかなりよくなっている。
・雑談をしていて、いちばん若い廣瀬さんが「さくら銀行」を知らなかったので、老兵たち(だれとは言わない)は仰天する。
・早く来たこともあり、16時20分にノルマを終えて、下校時刻よりかなり前に早帰り。
・夜に久々にマッサージを受ける。疲れていて爆睡し、たぶん8割以上寝ていた。ちょっともったいない。
◎5月22日(木)
・木曜なので出社せず。
・大学の翻訳演習の授業にはときどきゲストをお招きすることにしていて、きょうは出版翻訳の編集者編。河出書房新社の高野麻結子さんと北烏山編集室の樋口真理さんに来てもらう。後半は学生からの質問の時間で、ある学生が「編集者から見て、越前先生のいちばんデキるところはどこですか」という禁断の質問をして、室内が笑いに包まれる。おふたりからの回答は「締め切りを守るところ」。たしかに優先順位のトップに置いていることなので、その答はありがたい。The Secret of Secrets でも、期待を裏切らないようにしなくては。
・午後から雑用いろいろ。夜は渋谷の麗郷で、シジミとか肉圓(バーワン)とか腸詰めとか、定番ばかりを頼んでくつろぐ。
・大学の翻訳演習の授業にはときどきゲストをお招きすることにしていて、きょうは出版翻訳の編集者編。河出書房新社の高野麻結子さんと北烏山編集室の樋口真理さんに来てもらう。後半は学生からの質問の時間で、ある学生が「編集者から見て、越前先生のいちばんデキるところはどこですか」という禁断の質問をして、室内が笑いに包まれる。おふたりからの回答は「締め切りを守るところ」。たしかに優先順位のトップに置いていることなので、その答はありがたい。The Secret of Secrets でも、期待を裏切らないようにしなくては。
・午後から雑用いろいろ。夜は渋谷の麗郷で、シジミとか肉圓(バーワン)とか腸詰めとか、定番ばかりを頼んでくつろぐ。
◎5月23日(金)
・朝のうちに、7月に名古屋と東京でおこなわれる『オリンピア』読書会を告知。
・午後から出社。きょうは青木さんが寝坊したらしい。いちばんの激務と言っていい立場だから、休めるときはしっかり休んでください。
・The Secret of Secrets のNetFlixでのドラマ化が発表される。これは朗報。士気の向上にもつながるし。
・第2回修正版が来る。はじめて巻末のAcknowledgements(謝辞)がつく。おや、3ページもあるぞ。謝辞というのは、しっかり読んでくれる人があまりいないのに、人名や地名がいっぱい出てきて調べるのが大変なんです。ほかの個所は前のバージョンとほとんど変わっていないが、ある人物(チェコ人)の名前が、第1回修正版で変わり、第2回修正版でもとにもどっている。なぜだろう?
・日程表の決定版が菅原さんから渡される。訳了は7月4日厳守。その後、8月まではゲラ作業などで出たりはいったりになる。翻訳者だけでなく、DTP(レイアウトや組版など)担当者や校正者・校閲者も同様に秘密保持契約を交わして部屋に監禁されることになるので、そういう人たちと同室で作業する日もあり、いまからちょっと楽しみだったりする。そんな経験をした翻訳者はほとんどいないだろうから(歴史上はじめてだったりして)。
・この日は遅く来たので、久しぶりに最後までいたところ、21時ごろに松原さんが現れたのでびっくり。お菓子の補充に来てくれたのだった。
・午後から出社。きょうは青木さんが寝坊したらしい。いちばんの激務と言っていい立場だから、休めるときはしっかり休んでください。
・The Secret of Secrets のNetFlixでのドラマ化が発表される。これは朗報。士気の向上にもつながるし。
・第2回修正版が来る。はじめて巻末のAcknowledgements(謝辞)がつく。おや、3ページもあるぞ。謝辞というのは、しっかり読んでくれる人があまりいないのに、人名や地名がいっぱい出てきて調べるのが大変なんです。ほかの個所は前のバージョンとほとんど変わっていないが、ある人物(チェコ人)の名前が、第1回修正版で変わり、第2回修正版でもとにもどっている。なぜだろう?
・日程表の決定版が菅原さんから渡される。訳了は7月4日厳守。その後、8月まではゲラ作業などで出たりはいったりになる。翻訳者だけでなく、DTP(レイアウトや組版など)担当者や校正者・校閲者も同様に秘密保持契約を交わして部屋に監禁されることになるので、そういう人たちと同室で作業する日もあり、いまからちょっと楽しみだったりする。そんな経験をした翻訳者はほとんどいないだろうから(歴史上はじめてだったりして)。
・この日は遅く来たので、久しぶりに最後までいたところ、21時ごろに松原さんが現れたのでびっくり。お菓子の補充に来てくれたのだった。
◎5月24日(土)
・きょうも朝一番の7時出勤。
・いつも午後出勤の茂木さんが朝から来ているので、10時に来た岡本さんがびっくりしてのけぞる。茂木さんは掛け持ち仕事が一段落ついたらしく、これからは早く来るらしい。
・作中で、ある人物が「でたらめに入力すると3.5兆分の1の確率であたるパスコード」とヒントを出すのに対し、ラングドンが瞬時にして「7桁の英数字」だと言いあてる場面がある。本文にはなんの説明もないが、青木さんがこれを検算して、まちがいないとのこと。正確には 3,521,614,606,206 分の1 が答。なぜそうなるかは、訳者あとがきを見てください。ダン・ブラウン作品の翻訳には、実はこういうとんでもない確認作業も含まれているんですよ。
・登場人物の口調をまとめた表を作っておかなかったので、記憶がこんがらがってきた。まあいい。あとで見直して整理しよう。いまは前進あるのみ。
・いつも午後出勤の茂木さんが朝から来ているので、10時に来た岡本さんがびっくりしてのけぞる。茂木さんは掛け持ち仕事が一段落ついたらしく、これからは早く来るらしい。
・作中で、ある人物が「でたらめに入力すると3.5兆分の1の確率であたるパスコード」とヒントを出すのに対し、ラングドンが瞬時にして「7桁の英数字」だと言いあてる場面がある。本文にはなんの説明もないが、青木さんがこれを検算して、まちがいないとのこと。正確には 3,521,614,606,206 分の1 が答。なぜそうなるかは、訳者あとがきを見てください。ダン・ブラウン作品の翻訳には、実はこういうとんでもない確認作業も含まれているんですよ。
・登場人物の口調をまとめた表を作っておかなかったので、記憶がこんがらがってきた。まあいい。あとで見直して整理しよう。いまは前進あるのみ。
◎5月25日(日)
・10時15分に来て、きょうも一番乗り! 17時の下校前に帰る。
・紙の辞書のなかでいちばんよく使うのは『てにをは辞典』。これは2日に1回ぐらいはかならず見る。
・毎日進むペースが安定しつつある。1日に原書15ページから20ページ程度。
・きょうは14時ごろまでがやたら眠く、後半はすいすい進む。編集者のジョナス・フォークマンが登場する章は楽しいので癒やされ、眠気が消えてくれる。
・紙の辞書のなかでいちばんよく使うのは『てにをは辞典』。これは2日に1回ぐらいはかならず見る。
・毎日進むペースが安定しつつある。1日に原書15ページから20ページ程度。
・きょうは14時ごろまでがやたら眠く、後半はすいすい進む。編集者のジョナス・フォークマンが登場する章は楽しいので癒やされ、眠気が消えてくれる。
◎5月26日(月)
・ひげぼうぼうになって、みんなにからかわれた――という夢を見た。たぶんこれは、きのう読みはじめた『ラッキーボトル号の冒険』(クリス・ウィーメル、柳井薫訳、徳間書店)のせいだろう。「10代がえらぶ海外文学大賞」の候補作のひとつだ。
・飯田橋で「ブラタモリ」のロケをやっていたのを昼食どきに茂木さんが目撃したらしいが、自分は見なかった。また、何日か前に岡本さんが「有吉の正直さんぽ」のロケを目撃したらしい。
・きょうは久野さんが13時半に帰宅。青木さんとふたり、どんどんペースをあげて競い合い、帰宅が早くなっている。健康でいいです。
・夜は吉祥寺で西部地区翻訳者の会。幹事の廣瀬さんと乾杯音頭の越前は、さすがにこれはパスできずに参加。ベテラン編集者たちと、病気の話だの老眼の話だのをしているうちに、いつの間にか自分が参加者の最古参の部類にはいっていることに気づく。
・飯田橋で「ブラタモリ」のロケをやっていたのを昼食どきに茂木さんが目撃したらしいが、自分は見なかった。また、何日か前に岡本さんが「有吉の正直さんぽ」のロケを目撃したらしい。
・きょうは久野さんが13時半に帰宅。青木さんとふたり、どんどんペースをあげて競い合い、帰宅が早くなっている。健康でいいです。
・夜は吉祥寺で西部地区翻訳者の会。幹事の廣瀬さんと乾杯音頭の越前は、さすがにこれはパスできずに参加。ベテラン編集者たちと、病気の話だの老眼の話だのをしているうちに、いつの間にか自分が参加者の最古参の部類にはいっていることに気づく。
◎5月27日(火)
・机の上に資料をたくさん並べて作業をしていると、20世紀終わりの仕事環境を思い出す。
・トウキョウサンフラワーイイダバシの立ち食いうどんがなかなかうまい。生姜がきいている。
・帰宅したら、シートン動物記の再校ゲラが届く。表紙のシカ、なかなかいいぞ。全編中でいちばん好きな「サンドヒルの雄ジカの足跡」に注目が集まりやすくなるし。
・夜に『ラッキーボトル号の冒険』読了。『ダ・ヴィンチ・コード』みたいに、暗号・冒険・サプライズ・文学的記憶・物語のひねりが満載。暗号の翻訳、大変だったろうな。
・トウキョウサンフラワーイイダバシの立ち食いうどんがなかなかうまい。生姜がきいている。
・帰宅したら、シートン動物記の再校ゲラが届く。表紙のシカ、なかなかいいぞ。全編中でいちばん好きな「サンドヒルの雄ジカの足跡」に注目が集まりやすくなるし。
・夜に『ラッキーボトル号の冒険』読了。『ダ・ヴィンチ・コード』みたいに、暗号・冒険・サプライズ・文学的記憶・物語のひねりが満載。暗号の翻訳、大変だったろうな。
◎5月28日(水)
・きょうは8時半出社。地下鉄飯田橋駅の改札を出たところ、よくわからない列ができていて、無視して先へ進むと、その列はエスカレーターに並ぶためのものだった。しかたなく引き返したところ、並んでいる人たちの何人かが「このぽっと出が!」みたいな顔でこちらを見ているのがこわかった。KADOKAWAの人たちはこういうのに慣れて……いないだろうな、朝8時半じゃ。
・午前の監禁と午後の監禁の合間に抜け出して、食いしん坊仲間であるKADOKAWAの麻田江里子さんと昼食。近くのおいしい店をたくさん教えてもらう。水漫庭とか、和庵とか。
・The Secret of Secrets は冬の話だが、部屋はだいぶ暑くなってきた。そう言えば、北極が舞台の『デセプション・ポイント』を真夏に訳していたとき、ときどき冷蔵庫をあけて「臨場感」を味わいながら訳したものだったが、今回はそういうわけにいかない。
・メンバーにとっては早くも終盤が近づいてきたので、青木さんがそれぞれの分担訳の締め切り日をホワイトボードに書きこむ。人によって、締め切りがきつい人と余裕がある人の差が少し出てしまうのはやむをえない。
・午前の監禁と午後の監禁の合間に抜け出して、食いしん坊仲間であるKADOKAWAの麻田江里子さんと昼食。近くのおいしい店をたくさん教えてもらう。水漫庭とか、和庵とか。
・The Secret of Secrets は冬の話だが、部屋はだいぶ暑くなってきた。そう言えば、北極が舞台の『デセプション・ポイント』を真夏に訳していたとき、ときどき冷蔵庫をあけて「臨場感」を味わいながら訳したものだったが、今回はそういうわけにいかない。
・メンバーにとっては早くも終盤が近づいてきたので、青木さんがそれぞれの分担訳の締め切り日をホワイトボードに書きこむ。人によって、締め切りがきつい人と余裕がある人の差が少し出てしまうのはやむをえない。
◎5月29日(木)
・午前中は大学の授業で、諸雑用をこなすためにきょうは休み。
・所用で池袋に出たので、あすからの仕事に備えて、「新珍味」の肉盛りチャーハンと半ターロー麺でパワーアップ。
・所用で池袋に出たので、あすからの仕事に備えて、「新珍味」の肉盛りチャーハンと半ターロー麺でパワーアップ。
◎5月30日(金)
・きょうは激しい雨。雨のなかの出勤ははじめてかもしれない。どうせ監禁されるんだから同じか。
・この日のノルマを17時までに果たせず、きょうは1時間延長。下校のチャイムが鳴ってもなぜまだ帰らないのかと岡本・茂木・廣瀬の3人がじろじろこっちを見ている。
・きょうが第3回締め切り。みんな、なんとか仕上げたらしい。
・この日のノルマを17時までに果たせず、きょうは1時間延長。下校のチャイムが鳴ってもなぜまだ帰らないのかと岡本・茂木・廣瀬の3人がじろじろこっちを見ている。
・きょうが第3回締め切り。みんな、なんとか仕上げたらしい。
◎5月31日(土)
・きょうは青木・岡本・越前の3人。小雨。
・飯田橋ラムラのなかにマッサージのラフィネがあるのを知り、途中で抜けて行く。予想どおり、ふだん以上に首肩がガチガチだった。
・先日ロケで岡本さんが目撃した「有吉の正直さんぽ(「麻辣先生」の前で撮影)」が放映されたと、休みの茂木さんからLINEで報告。今後しばらく、「麻辣先生」が混雑しそうだ。
・今月末の訳出目標は50章までだったが、54章まで訳了。上々のペースだ。
・飯田橋ラムラのなかにマッサージのラフィネがあるのを知り、途中で抜けて行く。予想どおり、ふだん以上に首肩がガチガチだった。
・先日ロケで岡本さんが目撃した「有吉の正直さんぽ(「麻辣先生」の前で撮影)」が放映されたと、休みの茂木さんからLINEで報告。今後しばらく、「麻辣先生」が混雑しそうだ。
・今月末の訳出目標は50章までだったが、54章まで訳了。上々のペースだ。
◎6月1日(日)
・きのうと同じ、青木・岡本・越前の3人。ふたりが16時ごろ帰り、久しぶりに自分が部屋を最後に出る。土日の建物内はひっそりしていて、監禁室のほかにだれもいないときもよくある。
・雨はあがり、ちょうど心地よい天気。
・おやつコーナーにあるプルーンの評判がいい。視力がよくなった気分になるらしい。
・毎日出勤していると、宅配便をなかなか受けとれなかったりする。きょうはバスで帰りに郵便局に寄って、ゆうパックをひとつ受けとる。
・おやつコーナーにあるプルーンの評判がいい。視力がよくなった気分になるらしい。
・毎日出勤していると、宅配便をなかなか受けとれなかったりする。きょうはバスで帰りに郵便局に寄って、ゆうパックをひとつ受けとる。
◎6月2日(月)
・ダン・ブラウンのエージェントからAcknowledgements(謝辞)のデータが送られてきた(作品の内容に直接関係しないので、この個所はデータでもOKらしい)。
・久野さんから京都のせんべいのお土産。
・いつの間にか、「じっくりコトコトこんがりパン 濃厚カボチャのポタージュスープ」がお菓子ゾーンに置いてあるが、買ってきたのはだれだ?
・キャサリンが話しはじめると理屈っぽい話が多く、訳出がけっこうつらいので、とりあえず気分転換のために昼食へ出向く。ジョナスが出てくるとほっとする。
・久野さんから京都のせんべいのお土産。
・いつの間にか、「じっくりコトコトこんがりパン 濃厚カボチャのポタージュスープ」がお菓子ゾーンに置いてあるが、買ってきたのはだれだ?
・キャサリンが話しはじめると理屈っぽい話が多く、訳出がけっこうつらいので、とりあえず気分転換のために昼食へ出向く。ジョナスが出てくるとほっとする。
◎6月3日(火)
・青木さん以外の5人が、雨のなかを出社。
・眠くなるのはやはり午後の昼食後かな。16時を過ぎると、ラストスパートの気分になって、ぐんぐん訳出がはかどる。
・久野さんは仮眠をとるときもエレガントで、すっとベッドへ行って、すーっと仮眠をとり、すすすっとデスクにもどる、と廣瀬さんが自分の日記に書いている。
・ラングドンとキャサリンのちょっときわどいラブシーンを訳していて、廣瀬さんが動揺のあまりコーヒーをこぼしたらしい。
・おやつが足りなくなってきたので、図々しくKADOKAWAの人たちにメールでリクエスト。
・眠くなるのはやはり午後の昼食後かな。16時を過ぎると、ラストスパートの気分になって、ぐんぐん訳出がはかどる。
・久野さんは仮眠をとるときもエレガントで、すっとベッドへ行って、すーっと仮眠をとり、すすすっとデスクにもどる、と廣瀬さんが自分の日記に書いている。
・ラングドンとキャサリンのちょっときわどいラブシーンを訳していて、廣瀬さんが動揺のあまりコーヒーをこぼしたらしい。
・おやつが足りなくなってきたので、図々しくKADOKAWAの人たちにメールでリクエスト。
◎6月4日(水)
・きょうで越前の訳了個所が半分程度(70章ぐらい)。ほぼ目標どおりのペース。
・休日明けの青木さんが「ばかうけ」を持ってくる。
・85章がめちゃくちゃむずかしく、チェックをしていた青木さんは鼻血が出そうになったらしい。
・クリップとおやつが補充される。
・近々釈放を控えている人が数名いるので、カードキーの返却用封筒や交通費請求書などが用意されはじめる。
・第3版の原文が届いたらしいが、夕方で自分が帰宅したあとだったので、あさって確認しよう。
・休日明けの青木さんが「ばかうけ」を持ってくる。
・85章がめちゃくちゃむずかしく、チェックをしていた青木さんは鼻血が出そうになったらしい。
・クリップとおやつが補充される。
・近々釈放を控えている人が数名いるので、カードキーの返却用封筒や交通費請求書などが用意されはじめる。
・第3版の原文が届いたらしいが、夕方で自分が帰宅したあとだったので、あさって確認しよう。
◎6月5日(木)
・大学の授業終了後、ひとりの男子学生が寄ってきて、「あの~先生、ひょっとしてKADOKAWAに来てませんか?」と。ど、どうして知ってるんだ? なんでも、インターンでそのビルに週の半分ぐらいいて、この前トイレで見かけたという。やばい。しかたがないので、たしかにときどき行っているけどナイショにしてね、と伝える。もちろん、プロジェクトの内容は秘密厳守だ(社員でもほとんどがまったく知らない)。
・こちらはトイレで何人かの社員とたまに会うが、なるべく目を合わせないようにしているので、かえって不審に見えているかもしれない。
・こちらはトイレで何人かの社員とたまに会うが、なるべく目を合わせないようにしているので、かえって不審に見えているかもしれない。
◎6月6日(金)
・今年いちばんのあたたかさで、気温は30度近い。のどかだ。ところが、こんな日に――エアコンが故障した!
・数日前からエアコンの効きがいまひとつで、窓をあけようとしたりして、きのうは岡本さんがブラインドをブチッと壊しかけて、青木さんがサクッと直したという(伝聞につき、描写が雑ですみません)。
・ともあれ、コンビニに寄って、首に巻く冷やしタオルを全員ぶん買っていったら、これが好評。1本で1時間ぐらい快適に過ごせる。部屋から少し離れたところにある冷蔵庫に保管。
・とりあえず、部屋にあったサーキュレーター2つを最強にしてまわし、窓を少しあけたところ、なんとか作業できる暑さになる。サーキュレーターに「紛失しても補充されません」とシールが貼ってあるのが、なんだかおかしい。過去に持ち帰ったやつでもいたのか。
・エアコンを壊したのは、ダン・ブラウンの新作を翻訳させないためのサイバー攻撃か何かだという都市伝説が室内でまことしやかに流れる。
・原文の第3稿が来ている。トップページにSOSと書いてあったのが、最初はどういうことかわからなかった。なんだ、Secret of Secretsか。いっそSOSを流行らせようか。きょうはエアコンが壊れてSOS。
・青木さんは暑くて仕事にならないといって、きょうは昼過ぎに早々に帰る。
・昼に久野さんと茂木さんが和庵へ(黙食推奨の店なので、ふたりで行っても会話はできない)。めちゃくちゃおいしかったらしい。
・きょうで久野さんが釈放になりそうで、最後の見直しをしていたら、なぜか訳文が1ページ飛んでいたらしい。たしかに訳した記憶はあるのに。まさかこれもサイバー攻撃か? しかたなく再度訳したという。
・きょう訳していた76章で、ラングドンは秘密保持契約書を交わす。われわれといっしょじゃないか。
・午後になり、暑さがじわじわ応えてくる。窓をあけているせいで、タンポポの綿毛がいくつか、ふんわりと室内に飛んでくる。なかなか世紀末な光景だ。
・15時過ぎ、ついに久野さんが自分の範囲を訳了して釈放第1号。おめでとう。お祝いに、岡本さんが花束を渡す。
・廣瀬さんが今週のノルマを終えて、自分へのご褒美としてコンビニでアイスを買ってくる。「勝利の味がする」と言いながら食べ終わったころに、伊集院さんがエアコン故障見舞いを兼ねて、ヒロタのシュークリームを持ってきてくれる。しまった、アイスは別の日にしておけばよかったと廣瀬さんが悔やんでいる。
・伊集院さんが窓のあけ方の裏技を教えてくれる。ただ、エアコンの故障はフロアの半分に及んでいるらしく、すぐに修理するのはむずかしそう。土日に修理は来てくれるのだろうか。
・数日前からエアコンの効きがいまひとつで、窓をあけようとしたりして、きのうは岡本さんがブラインドをブチッと壊しかけて、青木さんがサクッと直したという(伝聞につき、描写が雑ですみません)。
・ともあれ、コンビニに寄って、首に巻く冷やしタオルを全員ぶん買っていったら、これが好評。1本で1時間ぐらい快適に過ごせる。部屋から少し離れたところにある冷蔵庫に保管。
・とりあえず、部屋にあったサーキュレーター2つを最強にしてまわし、窓を少しあけたところ、なんとか作業できる暑さになる。サーキュレーターに「紛失しても補充されません」とシールが貼ってあるのが、なんだかおかしい。過去に持ち帰ったやつでもいたのか。
・エアコンを壊したのは、ダン・ブラウンの新作を翻訳させないためのサイバー攻撃か何かだという都市伝説が室内でまことしやかに流れる。
・原文の第3稿が来ている。トップページにSOSと書いてあったのが、最初はどういうことかわからなかった。なんだ、Secret of Secretsか。いっそSOSを流行らせようか。きょうはエアコンが壊れてSOS。
・青木さんは暑くて仕事にならないといって、きょうは昼過ぎに早々に帰る。
・昼に久野さんと茂木さんが和庵へ(黙食推奨の店なので、ふたりで行っても会話はできない)。めちゃくちゃおいしかったらしい。
・きょうで久野さんが釈放になりそうで、最後の見直しをしていたら、なぜか訳文が1ページ飛んでいたらしい。たしかに訳した記憶はあるのに。まさかこれもサイバー攻撃か? しかたなく再度訳したという。
・きょう訳していた76章で、ラングドンは秘密保持契約書を交わす。われわれといっしょじゃないか。
・午後になり、暑さがじわじわ応えてくる。窓をあけているせいで、タンポポの綿毛がいくつか、ふんわりと室内に飛んでくる。なかなか世紀末な光景だ。
・15時過ぎ、ついに久野さんが自分の範囲を訳了して釈放第1号。おめでとう。お祝いに、岡本さんが花束を渡す。
・廣瀬さんが今週のノルマを終えて、自分へのご褒美としてコンビニでアイスを買ってくる。「勝利の味がする」と言いながら食べ終わったころに、伊集院さんがエアコン故障見舞いを兼ねて、ヒロタのシュークリームを持ってきてくれる。しまった、アイスは別の日にしておけばよかったと廣瀬さんが悔やんでいる。
・伊集院さんが窓のあけ方の裏技を教えてくれる。ただ、エアコンの故障はフロアの半分に及んでいるらしく、すぐに修理するのはむずかしそう。土日に修理は来てくれるのだろうか。
◎6月7日(土)
・きょうは11時から18時過ぎまで、ずっとひとり。建物全体に人の気配がない。
・エアコンはまだ直っていない。月曜まで無理っぽいと伊集院さんから連絡あり。
・気温は最高でおそらく30度ぐらい。サーキュレーターを最強にしてひとり占めし、窓を固定半開きにすれば、快適とは言わないまでも、作業に支障があるほどではない。昭和の夏はこんなものだった。
・週末は建物内のどの会議室も空いているので、午後に90分、朝日カルチャーの合同オンライン授業を会議室でやらせてもらう。ZOOM授業の背景がいつもとちがうが、みな深くは突っこまない。
・エアコンはまだ直っていない。月曜まで無理っぽいと伊集院さんから連絡あり。
・気温は最高でおそらく30度ぐらい。サーキュレーターを最強にしてひとり占めし、窓を固定半開きにすれば、快適とは言わないまでも、作業に支障があるほどではない。昭和の夏はこんなものだった。
・週末は建物内のどの会議室も空いているので、午後に90分、朝日カルチャーの合同オンライン授業を会議室でやらせてもらう。ZOOM授業の背景がいつもとちがうが、みな深くは突っこまない。
◎6月8日(日)
・きょうもひとりぼっち。気温はきのうよりやや低いので、作業に問題はない。冷やしタオルがよく効く。
・青木さんも来る予定だったが、体調がすぐれないのでパス。お大事に。無理しないで。
・金曜に伊集院さんが置いていってくれた小サイズのどら焼きがあるが、これは長持ちしないから、早く食べないとまずいんじゃないか。で、開封する。開封したら早く食べなきゃ、なんてひとりごとを言っているうちに、結局、夕方までに5個全部食べてしまった。すまん、みんな。あとで何か補充する。
・窓をあけたせいで、蚊がはいってきた。1匹目は1発で撃沈する。2匹目には逃げられたままだ。あす、だれかが被害者になるかもしれない。
・青木さんも来る予定だったが、体調がすぐれないのでパス。お大事に。無理しないで。
・金曜に伊集院さんが置いていってくれた小サイズのどら焼きがあるが、これは長持ちしないから、早く食べないとまずいんじゃないか。で、開封する。開封したら早く食べなきゃ、なんてひとりごとを言っているうちに、結局、夕方までに5個全部食べてしまった。すまん、みんな。あとで何か補充する。
・窓をあけたせいで、蚊がはいってきた。1匹目は1発で撃沈する。2匹目には逃げられたままだ。あす、だれかが被害者になるかもしれない。
◎6月9日(月)
・曇りで最高気温27度ぐらい。きのうとほぼ同じ。まだエアコンは動かない。きのうの蚊はいないようだ。窓をあけておくとブラインドがガタガタ鳴ってうるさい。いろいろ工夫してみるが、音の問題は解決せず。
・ほかの部屋はさほど暑くないようなので、やはりこの部屋だけがサイバー攻撃を受けたのか。犯人はだれだろう。そんなにダン・ブラウンの作品の訳書を出させたくないのか。
・みんなエアコンが壊れて大変でしょう、と言いながら、岡本さんがバウムクーヘンを買ってきてみんなに配る。ありがとう。
・帰り際に菅原さんに確認したところ、残念ながら修理できるのは14日(土)になるという。えええええ?? しかたなく、せめてサーキュレーターを増やしてもらえないかと要請。なければ、自分の仕事部屋から小型のやつを持ってくるしかない。帰宅し、ふたつ発見。
・ほかの部屋はさほど暑くないようなので、やはりこの部屋だけがサイバー攻撃を受けたのか。犯人はだれだろう。そんなにダン・ブラウンの作品の訳書を出させたくないのか。
・みんなエアコンが壊れて大変でしょう、と言いながら、岡本さんがバウムクーヘンを買ってきてみんなに配る。ありがとう。
・帰り際に菅原さんに確認したところ、残念ながら修理できるのは14日(土)になるという。えええええ?? しかたなく、せめてサーキュレーターを増やしてもらえないかと要請。なければ、自分の仕事部屋から小型のやつを持ってくるしかない。帰宅し、ふたつ発見。
◎6月10日(火)
・サーキュレーターがKADOKAWAに1個余分にあり、わが家から持ってきたものと合わせて5つ。きょうは雨だし、なんとかなるか。
・またトイレで大学の翻訳演習の学生に会ってしまう。また口止めする。
・岡本さんの疲れがピークに達したらしく、久しぶりにホワイトボードの裏で15時ごろ仮眠。1時間経っても目を覚まさないので、生存確認のために廣瀬さんが起こす。お疲れさまです。
・またトイレで大学の翻訳演習の学生に会ってしまう。また口止めする。
・岡本さんの疲れがピークに達したらしく、久しぶりにホワイトボードの裏で15時ごろ仮眠。1時間経っても目を覚まさないので、生存確認のために廣瀬さんが起こす。お疲れさまです。
◎6月11日(水)
・冷やしタオルが不足してきたので、ミニストップで追加購入。エアコンが復活したあとも、これは午後の眠気覚ましに有効だろう。
・89章を訳しているとき、ダン・ブラウンがエラリー・クイーンの大好きなジョークを使っていて、びっくり。
・茂木さんが釈放2号。旅立ちのお土産に神楽坂で千寿どらやきを買ってきてくれる。岡本さんがまた花束を渡す。お疲れさま。
・ちょうど見本ができたらしく、茂木さんが訳書『世界最大ドーナツチェーンの成功法則』(ロバート・M・ローゼンバーグ、早川書房)を持ってきてくれる。
・きょうは絶好調で、95章まで進み、いったん青木さんに追いつく。追いついたら最初から見直すつもりなので、それはそれで問題ない。
・89章を訳しているとき、ダン・ブラウンがエラリー・クイーンの大好きなジョークを使っていて、びっくり。
・茂木さんが釈放2号。旅立ちのお土産に神楽坂で千寿どらやきを買ってきてくれる。岡本さんがまた花束を渡す。お疲れさま。
・ちょうど見本ができたらしく、茂木さんが訳書『世界最大ドーナツチェーンの成功法則』(ロバート・M・ローゼンバーグ、早川書房)を持ってきてくれる。
・きょうは絶好調で、95章まで進み、いったん青木さんに追いつく。追いついたら最初から見直すつもりなので、それはそれで問題ない。
◎6月12日(木)
・大学の授業で出社せず。青木さんも休み。
・大学の授業はゲスト回の2回目で、産業翻訳者の高橋聡さんと松浦悦子さんに話をしてもらう。AIの話などは学生も真剣に聞いている。自分にとってもいい気分転換で、いい刺激だ。
・この日監禁室にいたのは廣瀬さんと岡本さんのみ。きょうはかなり暑いが、なんとか乗りきっているらしい。
・午後に映画を1本観るが、散漫な話だったこともあって、どうも気が散り、監禁室の様子や SOSのつづきが気になる。やはり訳了まで映画を観るのは無理かな。
・大学の授業はゲスト回の2回目で、産業翻訳者の高橋聡さんと松浦悦子さんに話をしてもらう。AIの話などは学生も真剣に聞いている。自分にとってもいい気分転換で、いい刺激だ。
・この日監禁室にいたのは廣瀬さんと岡本さんのみ。きょうはかなり暑いが、なんとか乗りきっているらしい。
・午後に映画を1本観るが、散漫な話だったこともあって、どうも気が散り、監禁室の様子や SOSのつづきが気になる。やはり訳了まで映画を観るのは無理かな。
◎6月13日(金)
・13日の金曜なので、不吉な予感がしていたら……やっちまった。カードキーを持たずに外出してしまった(T_T)。気づいたのは10時近くで、場所はうちと飯田橋の中間の駅あたり。いろいろ考えたすえ、きょうは休みにして、あれこれ放置してきた雑用を片づけることにする。
・帰宅してほんの少し休もうとベッドに横たわったら、2時間ほど爆睡。疲れがたまっていたから、これはこれでちょうどよかったのかも。
・この日は廣瀬さんが青木さんに送った訳稿ファイルが文字化けしたらしく、「またサイバー攻撃か?!」と監禁室に緊張が走ったらしいが、文字コードを変えて解決したらしい。
・7月25日発売の『シートン動物記 傑作選』(角川文庫)の書影が公開される。8編中でいちばん好きな「サンドヒルの雄ジカの足跡」から表紙が採用されたのがうれしい。Xで告知したところ、プチバズっていて、いい感じ。大人向けに訳したシートン作品、ぜひ読んでください。
・帰宅してほんの少し休もうとベッドに横たわったら、2時間ほど爆睡。疲れがたまっていたから、これはこれでちょうどよかったのかも。
・この日は廣瀬さんが青木さんに送った訳稿ファイルが文字化けしたらしく、「またサイバー攻撃か?!」と監禁室に緊張が走ったらしいが、文字コードを変えて解決したらしい。
・7月25日発売の『シートン動物記 傑作選』(角川文庫)の書影が公開される。8編中でいちばん好きな「サンドヒルの雄ジカの足跡」から表紙が採用されたのがうれしい。Xで告知したところ、プチバズっていて、いい感じ。大人向けに訳したシートン作品、ぜひ読んでください。
◎6月14日(土)
・朝、おけ以の前を通ったら、リニューアルオープンに向けてアルバイトを募集していた。近々復活するんだろうか。
・今週も朝日カルチャーの講座を1コマやらざるをえず、午後に会議室でオンライン授業。土曜はほとんど人に会わないのだが、オンライン授業中に会議室の外で何度か人の声がしていたので、やばい、つまみ出されるかと思ったが、そうではなく、エアコン修理の人たちだった。
・そんなわけで、ようやくエアコン復活! あすから快適な日々が待っている。サーキュレーター2個を持ち帰る。
・今週も朝日カルチャーの講座を1コマやらざるをえず、午後に会議室でオンライン授業。土曜はほとんど人に会わないのだが、オンライン授業中に会議室の外で何度か人の声がしていたので、やばい、つまみ出されるかと思ったが、そうではなく、エアコン修理の人たちだった。
・そんなわけで、ようやくエアコン復活! あすから快適な日々が待っている。サーキュレーター2個を持ち帰る。
◎6月15日(日)
・ところが、またエアコンが効かない(T_T)。それも、ほかの部屋や廊下はすべて効いているのに、われわれの部屋だけだ。やはりこれは、ダン・ブラウン新作の翻訳を阻止しようとする秘密結社による遠隔操作なのではないか。
・きょうは気温30℃に達したようなので、きのうまでとは次元のちがう暑さだ。低温サウナぐらいか。出社は青木・岡本・越前の3人。サーキュレーターは3個に減ったが、ひとり1個なのでなんとかなる。
・冷やしタオルを首に巻くだけでなく、額にも鉢巻きのように巻くとずいぶん快適だ。ただし、その姿をけっして人に見られてはならない。
・難解な個所になると、向かいの席の青木さんのため息が響く。気持ちはわかる。
・暑くてしんどいので、16時過ぎにきょうは作業終了。きょうは日曜で修理できないが、あす回復することを祈る。
・きょうは気温30℃に達したようなので、きのうまでとは次元のちがう暑さだ。低温サウナぐらいか。出社は青木・岡本・越前の3人。サーキュレーターは3個に減ったが、ひとり1個なのでなんとかなる。
・冷やしタオルを首に巻くだけでなく、額にも鉢巻きのように巻くとずいぶん快適だ。ただし、その姿をけっして人に見られてはならない。
・難解な個所になると、向かいの席の青木さんのため息が響く。気持ちはわかる。
・暑くてしんどいので、16時過ぎにきょうは作業終了。きょうは日曜で修理できないが、あす回復することを祈る。