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角川文庫キャラホラ通信

【キャラホラ通信2月号】『ぼぎわんが、来る』文庫化&映画化記念 澤村伊智インタビュー

角川文庫キャラホラ通信

2015年の第22回日本ホラー小説大賞にて、ホラー大賞史上初めて予備選考・最終選考ともに全選考委員がA評価をつけた澤村伊智氏の『ぼぎわんが、来る』(受賞時タイトル「ぼぎわん」)。ホラー小説界のみならずエンタメ界で話題をさらった本作が、ついに文庫化されました。また、本作は鬼才・中島哲也監督による映画化(映画タイトル「来る」/公開 2019年/配給 東宝)も決定しています。今回は文庫化&映画化を記念して、澤村氏にデビュー作を振り返っていただきました。
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── : デビュー作である『ぼぎわんが、来る』ついに文庫化されました。単著では初の文庫になりますが、やはり“文庫”というのは特別に感じられますか?

澤村:このご時世、単行本が必ずしも文庫になるわけではないと考えていたので、特別というより「関門を突破した」と感じました。これを機会により多くの人に読んでもらえればいいなと思っています。

── : 本作は第22回日本ホラー小説大賞〈大賞〉受賞作です。様々なインタビューでもお答えいただいているかと思いますが、賞に応募したきっかけを教えてください。

澤村:友人数人と自作の小説を見せ合う、という小さな集まりに参加していました。そこで初めて長編を書き、欲が出て公募に出してみたのが『ぼぎわんが、来る』の応募原稿です。受賞するとは想定しておらず、それどころか発表するつもりで書いたものですらなかったので、受賞の連絡が来た時は「何かの間違いだ」と思いました。

── : 初長編で受賞というのは本当に珍しいケースだと思います。『ぼぎわんが、来る』は物語構成(ここはネタバレになるので言えませんが)も巧みですが、キャラクターも魅力的ですね。特に作中の重要人物である比嘉姉妹は、のちの『ずうのめ人形』『ししりばの家』にも登場しています。彼女たちはどのように生み出されたのでしょうか。

澤村:姉の琴子のキャラクターは小説を書く前から妄想していました。『ぼぎわんが、来る』を書く1年前、友人に読ませる用の40枚くらいの短編に、琴子ではない霊能力者を脇役で出す必要に迫られて造形したのが妹の真琴です。髪の色は『ぼぎわん~』とは違って銀色だったと思います。『ぼぎわん~』を書くにあたって「真琴は使えそうだ」「この際だから琴子も出しておこう」と登場させました。

── : 良いキャラが生まれたから、「シリーズにしよう!」という目論見は『ぼぎわん~』の頃からあったのでしょうか。

澤村:シリーズ化する意図はありませんでした。編集部から注文もありませんでしたし、現に今回の文庫化までシリーズ名すら存在しなかったくらいです。自分としては結果的にそうなりました、という感覚です。

── : 比嘉姉妹シリーズである『ずうのめ人形』『ししりばの家』を含め、デビュー以降4作を上梓されましたが、デビュー前と何か心境の変化などはありましたか。

澤村:発表を前提とし、対価の発生する「商品」を作らなければ、という意識を持つようになりました。書くのは長編も短編も、デビュー前と同じかそれ以上に大変です。

── : この『ぼぎわんが、来る』は中島哲也監督による映画化が決まりました。豪華なキャスト陣も発表されています。映像化は初めての経験だと思いますが、映画化が決まった時の心境はいかがでしたか。

澤村:映画化が決まったことより、かなり早い段階で映画化の話が出たことの方が驚きました。確か2015年の末くらいだったと思います。刊行が同年10月だったので「そんなに早く動くものなのか」と。とてもありがたかったです。
 中島監督の作品では「下妻物語」がとても好きなので、嬉しく思いつつ「どんな風になるのだろう?」と、いい意味で想像がつかないでいます。

── : そうですね。映画化も発表され、いよいよ実感がわいていらっしゃるところなのではと思います。何か映画に対して楽しみなこと、期待していることなどはありますか。

澤村:映画については作者の頭の中のイメージや、小説の流れに沿うことより、純粋に「面白い」「怖い」作品になることを期待しています。

── : ますますご活躍が期待される2018年ですが、今後の刊行予定など読者の方にお知らせできることがあれば教えてください。

澤村:まずは7月に『ずうのめ人形』の文庫化を予定しています。『ぼぎわんが、来る』の2年後が舞台で、比嘉姉妹はじめ一部キャラクターが再登場しますが、基本的には独立した話です。夏にはKADOKAWAでノンシリーズの単行本が1冊、秋には光文社から初めての短編集、冬には双葉社から連載をまとめた長編単行本が出る予定です。

── : 予定がびっちりですね! では、直近でなくても結構なので今後こういう作品を書きたいという展望などはありますか。

澤村:恋愛小説だろうとSF小説だろうと時代小説だろうと、それ以外だろうと「怖くて面白い」ものは書けるはずだ、とデビューの時点で考えているので、「自分にそれが書けるように頑張ろう」と思っています。

── : いろいろとお話しいただきありがとうございました。では、最後に読者の方へ一言メッセージをお願いします。

澤村:面白がっていただければ幸いです。怖がっていただければこれ以上の喜びはありません。よろしくお願いします。

 
>>映画「来る」公式サイト


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