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連載

櫛木理宇「虜囚の犬」 vol.44

凶悪犯を殺したのは「女の子みたいな美少年」? 胸を抉るラストが待ち受ける、衝撃のミステリ。 櫛木理宇「虜囚の犬」#8-8

櫛木理宇「虜囚の犬」

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「どういう意味だ」
 白石が問う。和井田は応えた。
「幸恵の言葉を覚えてるか? 治郎のかつての〝仲良しグループ〟のメンバーは、〝女の子みたいなケイちゃんと、頭のいいナオくんと、気が弱いじゆんくん〟だ。最後の純くんとやらは、すでに自殺しているが」
「ああ。覚えている」
 白石はうなずいた。脳内で、幸恵の声がよみがえる。
 ──ケイちゃん。この子は女の子みたいにわいらしい顔立ちの子でした。次にナオくん、とても物知りで頭のいい子です。そして純くん。すこし気は弱いけれど、やさしい子でしたね。
 和井田は言った。
「掌紋の持ちぬしの姓名は、はしづめけいすけ。わかるか?〝女の子みたいなケイちゃん〟だ。いまや美少年の面影はどこへやら、特徴のないごく普通の男だがな。足のサイズは、現場に残されていたのと同じ二十六センチ。現在は出社しておらず、家族すら連絡がつかない。要するに失踪中だ。そして治郎の殺害現場である、ビジネスホテルの監視カメラ映像とも人相風体が一致した」
「じゃあ……」
 白石は乾いた唇をめた。
「じゃあそいつを追えば、志津さんは見つかるということだな」
 薩摩家を出入りしていた警備員なら、離れの治郎とコンタクトを取るのは容易だったはずだ。そしてかつての友人ならば、治郎を殺害現場まで呼び出すことも。
「ともかく、林善吉にはおれが当たる」
 白石の問いに直接答えず、和井田は言った。
「これ以上時間をかけていられん。爺さんも家政婦も今日中に落としてみせる。白石、おれは夜九時までにそっちへ行くからな。せいぜい晩飯でも用意して待っていろ」

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#8-9へつづく
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「カドブンノベル」2020年3月号

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