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連載

藤野恵美「きみの傷跡」 vol.24

【連載小説】とても軽いキス。このひとのことが好きだからこそ、隠しごとはしたくない。私は過去を告白した。藤野恵美「きみの傷跡」#12-2

藤野恵美「きみの傷跡」

※本記事は連載小説です。

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      24

 星野先輩はそばに来て、私の肩に手を置くと、一瞬だけ、くちびるを重ねて、すぐに離れた。
 とても軽いキス。
 触れるか、触れないかの、微妙な感覚だったのに、触れたところが熱くなって、体温が一気にあがる。
「そっ、そろそろ、帰ろうかと……」
 星野先輩の口から発せられた言葉に、私の胸は締めつけられた。
「もう、帰っちゃうんですか?」
 まだ、肝心なことを話せていないのに……。
「いや、ほら、あんまり、長居をしても、あれだし、うん」
 星野先輩はこちらに背を向け、部屋から出ようとする。
 キスをしてからの流れで打ち明けるという当初の計画は、失敗に終わってしまった。
 また、べつの案を考えないと……。
「あっ、でも、プリン……。お茶をするくらいの時間は、ありますか?」
「ああ、まあ、それはいいが……」
 少し困ったような声で言って、星野先輩はうなずいた。
 そして、ふたりでダイニングに戻り、私は湯を沸かして、紅茶の用意をする。
「ミルク、入れますか?」
 紅茶のカップを運んで、声をかけると、星野先輩は首を横に振った。
「いや、いい」
「私も、プリンといっしょのときは、いつも紅茶はストレートにしてます。そのほうがプリンの風味がよくわかりますよね。この茶葉はダージリンなので、ミルクを入れるより、断然、ストレートのほうがおすすめです」
 そんな話をしながら、冷蔵庫からプリンを取り出す。
「あっ、いつものくせでプリンには紅茶だと思って、用意してしまいましたが、星野先輩はコーヒーのほうがよかったですか?」
「俺も紅茶でいいよ。あんま、こだわりないし」
 もうすぐ星野先輩は帰ってしまうのだと思うと、気持ちが焦る。
 打ち明けると決めたのだから、今日のうちに話してしまいたい。先延ばしにすれば、悩む時間が長くなるだけだ。
 でも、話を切り出すきっかけがなくて……。
 星野先輩とダイニングテーブルで向かい合って、私はガラス瓶に入ったプリンをスプーンですくった。
「おいしい……」
 口に入れると、甘くとろけて、思わずほおがゆるむ。
「好きなタイプか?」
「はい。とろとろで、すごく好きなプリンです」
「気に入ってもらえたなら、よかった」
 星野先輩は満足そうに目を細めた。
 そのまなざしや声がとても優しくて、じんわりとあたたかな気持ちが胸に広がる。
 私のことを好きなのだ……ということが、言葉がなくても、その雰囲気だけで伝わってくるのだ。
 そして、私も思う。
 このひとのことが、好き……。
 だからこそ、隠しごとはしたくない。
「星野先輩……」
 片手にスプーンを持ったまま、私は声をかけた。
「うん? どうした?」
 少し首を傾げて、星野先輩はこちらの言葉を待つ。
「いえ、その……」
 せっかく楽しく過ごしているのに、暗くて重い話をして、この雰囲気を壊してしまうのは、心苦しい。
「紅茶のおかわり、いかがですか?」
 空になったカップに目を向けて、私が言うと、星野先輩は首を横に振った。
「ごちそうさま。たしかに、いい香りの紅茶だった」
 私はまたうつむいて、スプーンを動かす。
 瓶に入ったプリンは、一口食べるごとに残り少なくなり、ついには空っぽになってしまった。
 星野先輩もすでにプリンを食べ終わっていて、いまにも帰ると言い出しそうだ。
 もう、心を決めるしかない。
「あの……」
 顔をあげて、私は言う。
「刑法第百七十七条が改正されましたよね」
「お、おう。親告罪の規定が撤廃され、被害客体が拡張され、法定刑の下限が懲役三年から五年となり、科刑の重罰化がなされた」
 唐突な話題に、星野先輩は戸惑いつつも、すらすらとそう述べた。
 刑法第百七十七条は、強制性交等の罪だ。
 平成二十九年の改正前は、ごうかん罪とされていた。
「改正について、どう思いますか?」
 私が問いかけると、星野先輩は真面目な顔つきで答える。
「親告罪だったのは被害者のプライバシーを保護するためだが、それが重荷となり、かえって二次被害を生じかねないとして、検察による起訴を可能にしたのは、妥当な判断だと思う。それに、昨今の性の多様性を鑑みるに、被害客体の拡張も当然のことだろう。性的自由や性的自己決定権という保護法益は、男女平等に与えられているものであり、被害者が男性だからといって罪が軽くなるのは、あきらかに世論と合致していない」
 暴行又は脅迫を用いて十三歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、三年以上の有期懲役に処する。
 かつての刑法ではそう定められていたのだが、改正後は女子という要件が削除され、被害者による告訴が必要な親告罪の規定も撤廃された。
「さっき、面接みたいって言っていましたけれど、星野先輩の話し方も口述試験みたいになっていますよ」
 私がそんなふうに言うと、星野先輩も苦笑した。
「採点が気になるところだな。こんな感じの答えでよかったのか?」
「まだ、これからが本題です」
 できるだけ深刻にならない口調で、話をつづけていく。
「私、過去に、性犯罪の被害に遭ったことがあるのです。それが、法律に興味を持つきっかけになったといいますか……」
 星野先輩は衝撃を受けたように、顔をこわらせた。
「なので、このあいだのことは、決して星野先輩を拒絶したわけではなく、フラッシュバックといいますか、過去の出来事のせいで……。加害者は高校の先生で、それもあって、学校に行けなくなったのです。訴えを起こしたのは勇気ある行動で、なんら恥じることはなく、母にも堂々としてなさいと言われたのですが、いろいろと噂が広まったりして、まわりの目が気になり、学校に行くのがつらくなって、結局、辞めてしまいました」
 平気な顔で話そうと思っているのに、声が震えた。
「この話を聞いて、どう思いましたか?」
 私の問いかけに、星野先輩は困惑を隠せない様子で顔をしかめた。
「どう、って……」
 眉間にしわを寄せ、宙をにらんで、言葉をつづける。
「加害者は、どうなったんだ?」
 威圧的な低い声に、背中がぞくりとした。
 星野先輩、こんな声も出すんだ……。
 いつも優しい話し方のイメージだったから、少し驚く。
 怒気を帯びた顔つきに、ひるみそうになるけれど、いらちが私に向けられているわけではないということはわかるので、心を落ちつけて、口を開いた。
「青少年保護育成条例違反で、罰金の略式命令を受けました。刑事事件としては不起訴になりましたが、職も家族も失うことになったので、社会的制裁は受けたと思います」
 険しい表情のまま、星野先輩はこちらをじっと見つめる。
「実刑くらって、ぶちこまれたわけじゃないのか。それだと、今後も花宮さんに害を及ぼす危険性があるってことにならないか?」
「遠くに引っ越したそうなので、もう二度と会うことはないと思いますが……」
「なんで、そういう状況になったんだ?」
 星野先輩は矢継ぎ早に質問をして、はっとした表情を見せた。
「あっ、いや、つらいなら、話さなくていいんだが」
「その部分、気になりますか?」
「気にならないと言えば噓になる。だが、無理に聞こうとは思わない。悪い、俺、突然のことで、ちょっと混乱してるっていうか、なんて言ったらいいか、わからなくて……」
 額に手を当て、うつむくと、星野先輩は大きなため息をついた。
「俺はどうしたらいい?」
 星野先輩は顔をあげ、こちらを見る。
「できることがあれば、言ってほしい」
 その声を聞いて、胸の奥が痛くなった。
 締めつけられるような苦しさに、甘い気持ちも混じっている。胸の痛みが、全身に広がって、指先がじんじんとしびれた。
 星野先輩の声には、切実な思いがこめられていた。
 しんに向き合ってくれている。
 それが伝わってくるから、うれしくて、胸が苦しいけれど、打ち明けてよかった……としみじみ思う。
「過去の出来事は、もう終わったことなので、蒸し返したくはないのです。ただ、このあいだの反応で、傷はまだ完全にはえていないのだと痛感して……」
 星野先輩といっしょに、未来に向かっていきたい。
 だから、言わずにいることはできなかった。
「私、星野先輩のこと、本当に、好きだと思っているんです。でも、体が拒否反応を示してしまうことがあるかもしれなくて、それは過去の出来事のせいなのだと、理解しておいてください」
「ああ、わかった」
 星野先輩はうなずいて、しばらく考えこんだあと、また口を開いた。
「俺も細心の注意を払うつもりではあるが、その、なんというか、女性がどういう場面で嫌だと思うのか、正直、わからないところも多い。だから、少しでも気になることがあったら、言ってくれ」
 その言葉に、私は微笑む。
「はい。ちゃんと伝えますね」
 すると、少しだけ、星野先輩の表情がやわらいだ。
「あの、コーヒー、飲みませんか?」
 椅子から立ち、星野先輩が紅茶を飲んでいたカップを片づけながら、そう声をかける。
「私、ラテアートができるんです」
 星野先輩はちらりと時計を見て、時間を確認したあと、うなずいた。
「じゃあ、それを飲んでから帰るか」
 私は新しくマグカップを用意して、エスプレッソマシンにコーヒー粉をセットする。
 今日の目的をどうにか達成して、肩の荷が下りた気分だった。
 ふわふわに泡立てたミルクを注いで、エスプレッソの入ったカップに、ハートの模様を描いていく。
 コーヒーを飲んだあとは、もう引き止めることはできなくて、今度こそ星野先輩は玄関に向かった。
「駅まで送ります」
 そう言って、いっしょに玄関を出ようとしたら、星野先輩は首を横に振った。
「いいって。ここで」
「それでは、せめて、エレベーターのところまで」
 いっしょにいられる時間を少しでも長くしたいと思ったのに、エレベーターはすぐにやって来た。
「また連絡する」
 それだけ言うと、星野先輩はエレベーターに乗った。
 私はうなずき、手を振って、星野先輩を見送った。
 そして、ひとりで部屋に戻る。
 テーブルの上に、空っぽのマグカップがふたつ、置いたままになっているのが目に入った。
 さっきまで、ここに星野先輩がいたのに……。
 そう思うと、まるで、はじめてひとりで留守番をしたときみたいに、さみしくてたまらない気持ちになった。

 母は泊まりがけの出張で、その日の夜は特に連絡もなく、翌日の夕方になって帰宅した。
 ガチャリと鍵が開く音が響いたので、私は勉強の手を止めて、玄関まで出迎えに行った。
「おかえり」
「ただいま。はあ、疲れた。はい、お土産」
 げっそりした顔で、母は紙袋を差し出す。
「ありがとう。和菓子?」
 みやびやかな意匠と紙袋に書かれた店名から、そう推測すると、母はうなずいた。
「たぶんね。いただきもの。お花はホテルに置いてきた」
 声に張りがなくて、言葉がぶつ切りになっているところからも、疲労の濃さがうかがえる。
 仕事でなにか嫌なことがあったのかな……。
 ただ疲れているだけというより、精神的なダメージを負っているようにも思えた。
 母は決して仕事の愚痴など口にはしないけれど、もっとも身近にいる家族だから、わかってしまうこともある。
「夕飯は?」
 ピアスを外しながら、母は訊いた。
「あ、ごめん、用意してない。ママ、食べてくると思ったから」
 出張のときには、母はいつも帰りの新幹線で味わう駅弁とビールを楽しみにしている。だから、てっきり今日もそうだろうと思って、自分だけ簡単に済ますつもりでおり、なにも作っていなかった。
「カレー、残ってないの?」
「うん、食べちゃった」
 私が答えると、母は不満げに声を漏らす。
「えーっ、牛すじカレーを作るって言っていたから、それを楽しみに、わざわざ、駅弁、買わなかったんだけど」
「そうだったんだ。連絡くれたらよかったのに」
「もういい。とにかく、シャワー、浴びてくる」
 母からピリピリとした空気が漂ってきて、どうにかしたいという焦燥感に駆られる。
「ごめんね。いまから、なにか作ろうか?」
「いらない。カレーの気分だから、レトルトでも食べる」
 母はそう言って、浴室に向かった。
 私はリビングのソファーに戻り、参考書を手にして、条文の暗記を再開しようとするのだけれど、あまり身が入らない。
 しばらくすると、母は浴室から出たらしく、ドライヤーの音が響いた。つづいて、軽やかな鼻歌も聞こえてくる。
 少しは機嫌が回復したようだ。
 ほっとして、私は改めて参考書に目を落とした。
「ふう、すっきりした」
 ひとりごとをつぶやきながら、母は冷蔵庫を開ける。
「ビールにしたいところだけど、炭酸水で我慢するか。昨日、飲みすぎちゃったし」
 炭酸水のペットボトルを開けて、母はソファーに腰を下ろした。
「相変わらず、真面目に勉強しているのね」
 母の声の調子から、そこに込められている感情を読み取ってしまうのは、子どものころからの習性のようなものだ。
 母の話し方は、よく訓練されている。滑舌がよく、表現力に富み、揺らぎがない。だからこそ、コントロールされていない無意識の感情に気づくことが重要となる。
 真面目という言葉には、感心だというニュアンスではなく、どこかするような響きがあった。私が弁護士を目指していることについて、いまでも母は内心では歓迎していない。そう感じずにはいられなかった。
「やっぱり、なんか作って。レトルトカレーより、まいの手料理が食べたい」
 母の気まぐれは、いつものことだ。
「はいはい、わかりました」
 私は参考書を閉じると、ソファーから立ちあがって、エプロンをつけ、キッチンへと向かう。
「リクエストは?」
「野菜たっぷりのお味噌汁」
 母の望みをかなえるため、野菜を切りはじめた。
 料理を作って、母に喜んでもらえるのはうれしいことのはずなのに、なんだか今日は浮かない気分だ。
 夕飯の用意ができると、母は満足げな笑みを浮かべた。
「まいの優しいところ、親としてはすっごく助かるんだけど、都合のいい女にならないか心配だわ」
 食事をしながら、そんなことを言われる。
「彼氏には、あんまり尽くしすぎないようにね。男って、追われるより、追う立場が好きなタイプが多いし、わがままな女のほうが愛されるものなのよ」
「だいじょうぶ。そんなに尽くしてないし」
 むしろ、星野先輩のほうがいろいろと気を遣って、私の希望を優先してくれて、申し訳ないくらいだ。
「それで、彼氏とのおうちデートはどうだった?」
「楽しかったよ」
 そう答えると、母は黙ったまま、つぎの言葉を催促した。
「カレー、残ってなくて、ごめんね。もっと作ればよかった。星野先輩がおいしいって言って、いっぱい食べてくれたから……」
「今度はいつ来るの?」
「まだ、約束してない」
「早く会いたいわ。しずちゃんの話だと、まいのこと、大切にするつもりはあるみたいだけど、口先だけならどうとでも言えるからね。本人と直接会って、まいにふさわしい男か、ちゃんとこの目で見極めないと」
 母の言葉が、心に引っかかる。
「しず姉ちゃんの話、って……?」
「聞いてないの? 先週、しずちゃんがまいの彼氏に会いに行ってくれたの。で、とりあえず、合格だという報告を受けたから、おうちデートを許したのよ」
 母がなんの話をしているのか、すぐには理解できなかった。
「なに……、それ……」
「しずちゃんの観察眼というか、ひとを見る目は信用できるから。しずちゃんは悪い男ではなさそうだと言ってたし、まいから聞いた話でも、その判断はまちがっていないとは思うけど。昨日のデートでも、いい感じだったのでしょう?」
 星野先輩がしず姉ちゃんと会っていたなんて、全然、知らなかった。
 さも当然のような口調で、母は話しているけれど、私は衝撃を隠せない。
「でも、しずちゃんと会ったこと、まいに知らせてないなんて、少し問題ね。異性とふたりきりで会う約束をしたのに、それを言わずにいるなんて、誠実さが問われるところよ。後ろ暗いところがなければ、隠す必要もないわけだし」
「変なこと言わないで!」
 気がつくと、強い口調になっていて、自分でも驚いた。
「星野先輩のこと、知らないのに……」
 勝手な推測で、星野先輩のことを悪く言われて、我慢ができなかった。
「だから、見極めるために、早く会わせなさいって言ってるの。もうすでに、まいは恋は盲目状態になってるみたいだし、困ったものね」
 まったく悪びれず、母はそんなことを言って、肩をすくめる。
「愛情のてんびんを想像して、一方に傾かないよう、うまくバランスを取りなさい。与えるばかりにならないようにね。自分を犠牲にする恋愛は長続きしないから」
 母の言葉は、正しい。
 とてもためになる恋愛アドバイスなのだと思う。
 なのに、どうして、こんなにもやもやするのだろう。
 夕食のあと、自分の部屋で勉強をやろうとしたけれど、心がざわついて、落ちつけなかった。
 テキストを開いたけれど、ちっとも集中できない。
 しず姉ちゃんのこと、星野先輩にメッセージを送ってみようかな……。
 そう考えて、スマホに手を伸ばしたものの、どう書けばいいか、迷ってしまって、指が止まる。
 星野先輩のことを責めているとか疑っているとか、そういうふうに受け止めてもらいたくない。この気持ちを文章だけではうまく伝えられる自信がなくて、結局、一文字も入力できなかった。
 それに、メッセージを送ったら、返事があるまで、やきもきしながら待ちつづけることになるだろうし……。
 じっとスマホを見つめていると、廊下から母の声が聞こえた。
「まい、まだ起きてるの?」
「うん」
「夜更かしは美容の敵よ。お風呂も、まだ入ってないんでしょう」
「もうちょっとしたら入る」
「さっさと寝なさいよ。明日は七時半には家を出るつもりだから。ちゃんと起きてね」
 母の仕事の都合に合わせて、朝ご飯を用意する……。
 それはいつものことであり、特に嫌な言い方をされたわけでも、偉そうに命令されたわけでもないのに、なぜか、反発心が起こった。
 これまで、母に対して、こんな気持ちになったことなんてないのに……。
 言葉のひとつひとつが、かんに障る。
 明日、早起きをして、朝ご飯の用意をしなければならないことを考えると、叫び出しそうなほどの拒否感があり、イライラして仕方がなかった。
 このままでは、母にひどいことを言ってしまうかもしれない……。
 嫌だ。
 いっしょにいたくない。
 自分の心に、そんな思いが湧きあがって、信じられない気持ちになる。
 でも、これが本心だ。
 自分の気持ちに、噓はつけない。
 明日の朝、母と顔を合わせたら……。
 冷静さを失っているということは、自覚していた。
 それでも、母に対する腹立ちを抑えきれず、居ても立っても居られなくて、私は家を出ることにした。

※つづきは「カドブンノベル」2020年9月号でお楽しみください。


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