私たちは、宇治という茶処から来て、この江戸で商いをし、江戸を支えてきたという自負がございます。商人が江戸を栄えさせてきたのであるなら、江戸を守るのがお武家の役割ではございませんか? 怯えて暮らすのは真っ平です。なにゆえ、無頼どもを一掃なさらないのですか
 小気味好い啖呵たんかである。凛々しい若者に成長した証である。作者は少年の成長ぶりを、武士ではなく、時代の変化に動じず、信念を貫く商人として描くことで、幕末の真実に迫っている。仕事に誇りを持ち、守るものがあることの強さを教えてくれる。不遇の時代に生きる少年少女へのメッセージでもある。今年の注目作となることは間違いない。



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江戸に出て十年、吉兵衛はかつての志を失い、吉原に入り浸る日々を送っていた――。

書籍

『お茶壺道中』

梶 よう子

定価 1836円(本体1700円+税)

発売日:2019年03月04日

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    書籍

    「本の旅人2019年3月号」

    角川書店編集部

    定価 100円(本体93円+税)

    発売日:2019年02月27日

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