懐かしい馳星周が帰ってきた。いちだんと洗練され、いちだんと哀愁の色を濃くして。
 馳星周は一九九六年のデビュー作『不夜城』で吉川英治文学新人賞、第二作『鎮魂歌 不夜城Ⅱ』で日本推理作家協会賞を受賞。二作で文壇の寵児になり、期待の高まるなか発表されたのが、第三作『夜光虫』だった。この小説は、六大学から鳴り物入りでプロ球団に入った投手が、肩の故障で引退。事業で多額の借金を作り、台湾に渡り、プロ野球で八百長試合に手を染め、やがてやくざの抗争に巻き込まれ、次々と殺人を犯していく話だった。
 その男が顔を変え、名前を変え、イタリアに逃れた。本書『暗手』はそこから始まる。
 台湾で破滅した男は、いまではヨーロッパの黒社会で暗手とよばれ、殺し以外の仕事ならなんでも請け負っていた。そんな男のところにサッカー賭博組織の末端に連なるチンピラから、日本人のゴールキーパー大森怜央を抱き込んでくれないかという依頼がある。
 大森が在籍しているセリエAのロッコはセリエBへの降格もありうる状況だった。守備力強化のためにベルギーのチームから移ってきた大森に八百長をさせろというのだった。

書籍

『暗手』

馳 星周

定価 1728円(本体1600円+税)

発売日:2017年4月26日

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    書籍

    夜光虫

    馳 星周

    定価 994円(本体920円+税)

    発売日:2001年 10月 25日

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      書籍

      『本の旅人』2017年5月号

      角川書店編集部

      定価 100円(本体93円+税)

      発売日:2017年04月27日

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