発売たちまち話題沸騰し版を重ねた本書は、ヤクザ映画の本家本元・東映での映画化が決まっている。全編、呉市中心に広島県でのロケという異例の態勢で、撮影はすでにクランクアップを迎えたそうだ。監督は『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』で知られる俊英・白石和彌、大上を役所広司、日岡を松坂桃李、一之瀬を江口洋介、紅一点のクラブママを真木よう子、他豪華俳優陣が連なるという。二〇一八年春の公開が、いまから待ち遠しくて仕方ない。
 読者にとって嬉しい知らせをもうひとつ。本書の続編に当たる『凶犬の眼』(「小説 野性時代」連載中)が佳境に近づいており、そう遠からぬうちに店頭に並びそうだ。『孤狼の血』に熱狂した読者には、こちらも待ち遠しくて仕方ないだろう。
 本書の文庫化と前後して、「読売プレミアム」で連載が終了した著者の新作長編『盤上の向日葵』(中央公論新社)も発売される。こちらは将棋界を舞台にした柚月版『砂の器』とも言える本格サスペンス。
 いよいよもって、柚月裕子からは目が離せない。いま最も〝旬〟な作家の傑作を、どうか存分に堪能していただきたい。
 
――二〇一七年七月
 
 
>>映画『孤狼の血』公式サイト

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書籍

『孤狼の血』

柚月 裕子

定価 821円(本体760円+税)

発売日:2017年08月25日

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