表紙絵=玉川麻衣 表紙デザイン=祖父江慎

表紙絵=玉川麻衣 表紙デザイン=祖父江慎

◆ニュース

①「山の怪談」が大ブーム! そこで「幽」では海も加え「山妖海怪、奇奇怪怪」特集を、巻頭100Pで掲載!

「山」と「海」──それは私たち人間にとって、最も身近な「異界」です。深い森の奥や暗い海の底には、今もなお、人知の及ばぬ神秘の世界が広がっています。天狗や山人、海坊主や舟幽霊といった山妖海怪は、そうした異界に対する畏怖の念が生み出したものなのかも知れません。
山の怪異、海の恐怖──それらはまた、小説から実話まで、古今の怪談文芸の得がたい源泉ともなってきました。とりわけ近年は、田中康弘『山怪』シリーズの記録的な大ヒットを契機に、「山の怪談」本が熱い注目を集めています。斯界の先覚者・安曇潤平の一連の著作や『里山奇談』のヒットも記憶に新しいところです。
本誌は2008年刊行の第8号で、いちはやく「山の怪談」を特集し、現在のブームに10年近くも先駆けて、トレンド形成に先鞭をつけました。そこで今回の特集では趣向を変えて、「山」と「海」の怪談文芸を対比的に取りあげます。ふたつの異界のはざまに、私たち日本人が何を垣間見、何を語り伝えてきたのか……御期待ください!
「幽」編集顧問 東雅夫

②小野不由美の連載小説が読めるのは「幽」だけ!

「水の声」を30Pにわたって掲載!

③人気連載陣!

怪談小説連載には、京極夏彦、有栖川有栖、初野精、山白朝子、円城塔、恒川光太郎、近藤史恵が登場。さらに「記憶屋」シリーズが人気の織守きょうやが集中連載スタート!

幽28号は12月15日発売!

https://promo.kadokawa.co.jp/yoo/
https://twitter.com/kwaidan_yoo

<目次>

特集「山妖海怪、奇奇怪怪」

〈巻頭グラビア〉
宇佐美まこと「獺祭(だっさい)」
絵=玉川麻衣

【日本怪談紀行】恐山から仏ヶ浦へ――これはこの世のことならず 東雅夫

【怪談巡礼印象記】四度(よたび)恐山を訪れて 加門七海

【インタビュー】夢枕獏 山と海の怖さが、想像力を刺激してくれる

【分析】山怪考 田中康弘

【競作】海へ!
玉川数/日高トモキチ/coco「めぐりゆく水の物語」
安曇潤平「かくれんぼ」
黒史郎「海にまつわるもの」

【対談】加門七海×中野純 真っ蔵(まっくら)怪談リポート

【エッセイ】山と海の妖しい話
小池真理子「骸たちの静かな気配」
樋口明雄「魔の山」
朱野帰子「超深海からの呼び声」
安田登「もうれんやっさ」

【復刻】山と海の名作怪談 解説=東雅夫
①「幻談」(抄)幸田露伴
②「枕」上田哲農
③ 対談「海底の骨壺 妖気の幽霊船」安部公房+山下彌三左衛門

【論考】
ドイツの山岳と怪異譚 吉田孝夫
死者の海、生命の海 後平澪子
泉鏡花文学における山と海 田中励儀
海の怪異と生きる――船幽霊のこと 川島秀一

【座談会】山の怪談本編集者座談会

【読書案内】山妖海怪読書案内 朝宮運河

連載

〈怪談小説〉
京極夏彦 最終回『幽』『怪』横断連載「虚談 リアル」
小野不由美「水の声」
有栖川有栖「濱地健三郎の事件簿⑧ 饒舌な依頼人」
初野晴「マルコの福音書 6」
山白朝子「布団の中の宇宙」
円城塔/訳 アーネスト・フェノロサ&エズラ・パウンド/著「タムラ ほか二篇」
恒川光太郎「突入者」
近藤史恵「震える教室 隣のベッドで眠る人」
織守きょうや 集中連載『幽』『怪』横断連載「響野(ひびきの)怪談」

〈怪談実話〉
藤野可織「私は幽霊を見ない」
中山市朗「怪談狩り」
福澤徹三「怖(ふ)の日常」
小池壮彦「日本の幽霊事件」
松村進吉「セメント怪談稼業」
安曇潤平「山の霊異記」

〈怪談漫画〉
波津彬子 監修=山内麻衣子「幻妖能楽集 羽衣」
諸星大二郎「海で呼ぶもの」
花輪和一「霊障国」
高橋葉介「オカリナサイ」
押切蓮介「おののけ! くわいだん部」
岸浩史「むげん散歩」

〈怪談逍遥〉
南條竹則「幽的民譚(ゴーストリイ・フォークロア)」

おばけずきフォーラム

〈インタビュー/トーク〉
小池真理子×東雅夫〈新刊発売記念〉特別対談『異形のものたち』
波津彬子×門賀美央子『鏡花夢幻』&『お嬢様のお気に入り』刊行記念特別対談
宇佐美まこと新刊インタビュー「身近な恐怖に戦慄してください」
近藤ようこの世界を堪能し尽くすブックガイド『たそがれの市 あの世お伽話』単行本化記念
荒俣宏×工藤美代子「死なんて、ちょっと隣町まで散歩に行くようなもの」
新連載 怪談実話◆三人時評

〈アカデミー〉
梟は梟に非ず ピーター・バナード
『日韓怪異論』の試み――古典や儀礼から探る死生観―― 佐伯孝弘

〈怪談山海評判記〉
アトリエ・セントー
野呂達矢
関洋平
山田百次

〈とれたて怪談実話〉
吉田悠軌「同じ女」
小田イ輔「過疎地域にて」
長江俊和「撮影現場」

〈ブックレビュー〉
千街晶之 岩井志麻子『嘘と人形』他
朝宮運河 夢野久作『夢Q夢魔物語』他
小池啓介 小林泰三『わざわざゾンビを殺す人間なんていない。』他
杉江松恋 エーネ・リール『樹脂』他
土方正志 アンドルー・ラング『夢と幽霊の書』他
中島晶也 A・メリット『魔女を焼き殺せ!』他
星野智 岡本和明、辻堂真理『コックリさんの父』他
門賀美央子 村上晶『巫者のいる日常』他
長山靖生 ヴァレリー・シュール=エルメル『幻想版画』他
東雲騎人 鈴木堅弘『とんでも春画』他
イトウユウ さくらももこ『ちびしかくちゃん』他
西山雅子 ミロコマチコ『まっくらやみのまっくろ』他

〈特別企画〉
「カクヨム異聞選集」選考会リポート 稲川淳二、東雅夫