──ですが、読み進むうちに不可思議な感覚に囚われます。なにを読んでいるのかわからなくなってくる快感というか……言語化が難しいのですが……。

滝本:だとしたらうれしいです。物語を追いかけてもらうだけでなく、読んでいるうちに脳の状態をちょっと変えてもらえるような試みも詰め込んでいて、トリップ感というか酩酊感みたいなものも楽しんでほしいんです。だから、最初に言ったとおり、まだ、僕自身、これがなにかはわかりません。言えることは、これは「光の小説」であり、今現在の僕の研究開発の発表だということです。
 なので、改めてお伝えするなら、僕はこの小説を、新たなライトノベルのフォーマットのひとつとして提示したい。だからこそタイトルは『ライト・ノベル』でしか、ありえなかったんです。

──なるほど! すとんと腑に落ちました。

滝本:もともと、この小説の原案は2010年刊行の『カドカワキャラクターズノベル ACT』に掲載した未完の短編でした。そのときから「光の小説」としての構想はあって、担当編集K氏からも「ぜひ、完結を」と辛抱強く待っていただき、10年近くかかりましたが、ようやく世に出すことができました。装画もデビュー作と同じ、安倍吉俊さんにお願いしたいと希望したところ、とても多忙な方なのですが、ご快諾いただけて、感謝しています。

──今日はお話を伺え、誤解も解けて(?)なによりです。最後に一言、お願いします。

滝本:めっっっちゃ、おもしろいんで読んでください。癒やしと希望にあふれた気持ちのいい世界が待っています。読んでいただけたらプラスの効果が現れると信じています。さらに『NHKにようこそ!』と読み比べていただくと、作家である僕自身が当時、抱えていた心の闇から現在へと至る、ダイナミックな変化も娯楽のひとつとして味わっていただけると思います。

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書籍

『ライト・ノベル』

滝本 竜彦

定価 1728円(本体1600円+税)

発売日:2018年11月29日

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