滝本:僕自身が変わるために必要なことはなんだろうと考えて、辿り着いた結果ですから、実行するのは当然です。こうして、僕は僕がハッピーだと感じられる経験を手に入れました。なので、さらに修行を進めました。

──どんなことでしょう。

滝本:先にも言ったとおり、僕が経験したように、小説で読者の精神構造にまで影響を与えたいという願いがあったので、そういった精神世界や瞑想について、あるいは多次元的な世界の有り様について学び始めました。だって、知らないと書けないから。最近では作曲も手がけていて、物語にふさわしい曲も模索しています。
 ただ、それらの修行に入り込んでいたために、いつしか世間では「滝本竜彦が次々と付き合う女性を替えている」とか「どこかの宗教に入信したんじゃないか」といった誤解を招いてしまうんですが……(笑)。でも、実はひとえに僕は僕自身の目指す小説を世に出すために努力していただけなんです。

──今、誤解を解きましょう!

滝本:はい。僕は宗教には入っていません!! 執筆のために知識と経験が必要だっただけなんです。

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『ライト・ノベル』は
研究開発みたいな一冊

──語るとおり、『ライト・ノベル』には、いわゆる「ライトノベルの要素」が詰め込まれています。舞台は木造の旧校舎、部室棟一番奥の部屋。アイテムは唯一の鍵、異界に通じるロッカー。登場するのは母親との関係に悩む不登校気味の高校生男子、天空から地下世界へと旅する天使、メガネっ子の同級生。チラシの裏に書き殴られた小説、多重構造で語られる世界……そしてクライマックスは文化祭!

滝本:リスペクトも込めて、思いつく限りのことを詰めました。自分でもまさかこんな文化祭の風景が書けるとは思いませんでしたが(笑)、書けるようになったんだと感慨深かったです。
 さらに徐々に部室棟が埋まっていきますが、各部の部活にも僕の読者の方には楽しんでいただける仕掛けがあります。もしかしたら……そんな時系列もあったかもしれない、的な。そういった部分も含めて、隅々までライトノベルを意識しました。

書籍

『ライト・ノベル』

滝本 竜彦

定価 1728円(本体1600円+税)

発売日:2018年11月29日

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