島津、朝鮮、琉球。三つの場所と文化を書き分けながら、儒教をテーマに据えた歴史小説で松本清張賞を受賞した川越宗一さん。
選考委員の絶賛を受けてデビューした期待の新鋭にお話をうかがいました。
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──小説を書き始めたきっかけはなんでしょうか。

川越:もともとは生活に余裕ができたのでなにかしよう、くらいの軽い気持ちで書き始めました。そうやって書き上がった作品を第二十四回の松本清張賞に初めて応募したのですが、一次選考で落選した。そのときが、一番「書こう」と思った瞬間だったかもしれません。作品のテーマに愛着があったので悔しくて、これを誰かに読んでもらうまでは自分は頑張らなあかん、と思ったんです。

──なぜ応募先に松本清張賞を選んだのでしょうか。

川越:私は歴史小説を書きますが、歴史小説が苦手な人も含め、万人が読んで面白いと思うものを書きたいと思っていました。そこで、ノンジャンルの賞をと考えて、清張賞を選びました。

──受賞作『天地にさんたり』の着想はどこから得たのでしょうか。

川越:家族旅行で沖縄に行って、守礼門しゅれいもんを見たことです。守礼門の「礼」の字を見て、これはたしか儒教の「礼」だったな、と思い出した。そこから、琉球は島津氏の侵攻を受けたなとか、島津はその前に朝鮮と戦ってたなとか、朝鮮は儒学を重んじる国だったなとか、いろいろな要素が思い浮かびました。

──島津・朝鮮・琉球それぞれの場所で生まれ育った三人の物語です。

書籍

『天地に燦たり』(文藝春秋)

川越 宗一

定価 1620円(本体1500円+税)

発売日:2018年07月06日

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    書籍

    「小説 野性時代 第179号 2018年10月号」

    小説 野性時代編集部

    定価 860円(本体796円+税)

    発売日:2018年09月12日

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