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特集

少しずつ見えてきた建物の輪郭にワクワク!──「江戸川区角野栄子児童文学館」開館プロジェクト 第8回

取材・文:葛山あかね
撮影:内山めぐみ

7月下旬の炎天下。南葛西にあるなぎさ公園の「江戸川区角野栄子児童文学館」の建設現場では、連日の猛暑日、ときに突然のゲリラ豪雨に中断を余儀なくされながらも、着実に作業が進められています。

青空に伸びる大階段

取材に訪れた、7月27日は晴天。自然豊かななぎさ公園には、蝉の声が響いていました。


7月末の建設現場。樹々の間から建物の外壁が現れてきました 


4月に訪れた前回の取材では、建物の骨組みである鉄筋がむき出しの状態でしたが、そこにコンクリートが流し込まれて床面や外壁ができ、輪郭が分かるようになっていました。


4月26日撮影


建物向かって左手、1階部分が文学館の入り口です

今回、ご注目いただきたいのは「大階段」部分です。



エントランスを抜けると、立ち並ぶ足場の奥のほうに大階段が見えました



“コリコの町の大階段”迫力があります 


大階段の幅は8.5メートルであるのに対して、一段一段の高さ(蹴上)は14.5センチと、かなり低く感じられました。これは来館した子どもたちが昇り降りしやすいよう配慮された設計だから、でした。
屋根がまだついていないため、階段の上には夏の青空が広がっていました。建設途中ならではの風景です!

設計を担当した建築家の隈研吾さんが「江戸川区角野栄子児童文学館の見どころの一つ」と語っていた“コリコの町の大階段”。1階から3階まで、丘の傾斜に沿って伸びる階段は、建物の中央を貫きます。



土と、桜と。既存のものを生かして


建物左奥から右手前にかけて、斜めのラインが外壁に走ります


建物の外周をぐるりと巡ると、外壁に斜めに走る、一筋のラインが目に留まりました。
この文学館は、なぎさ公園の丘の斜面を水平になるよう掘削して土台を作り建てられています。掘り出した土は敷地内の一角に保存され、建物完成後に、この斜めのラインから30センチ下の高さまで埋め戻されます。このラインは「防水範囲になる部分」とのことでした。ちなみにこのラインは防水を施工した後に補修をするので、なくなります。
完成時の見た目は、建物が斜めに埋まったように見えるのかもしれません。私たちが歩く地面は、もっとずっと高い位置になるのですね。




建物の2階の脇には、なぎさ公園を彩っていたソメイヨシノがそのまま残されています。既存樹木を積極的に活用したランドスケープとするために、樹木の根の張り具合を見極め、ダメージを与えないように養生するなど、細心の注意を払いながら建設は進んでいます。

ちなみにここは2階にある読書エリアの外庭。テラスとして桜を囲むようにウッドデッキが設置されるとのことでした。テラスに出て本を読みながら、建物の中からも満開の桜を眺められます。



建物まわりの庭園や広場のこと

建物の完成に併せて、周辺の造園や遊具施設の建設も進められます。


隈研吾建築都市設計事務所製作「江戸川区角野栄子児童文学館」建築模型 

建物の手前には、大きな滑り台や改装されたポニーの広場が。ここは“ものがたりの丘”と名付けられた文学館の前庭で、オリジナルデザインの遊具が配置されるそうです。文学館にたどり着くまでの間、そして文学館を出た後も、楽しく遊べそうですね。

今回の取材は建物の外壁部分まででしたが、この後工事は天井から屋根へと移っていきます。文学館の建物全体が出来上がるのは今年の年末から年明けの予定だそう。
2023年11月のオープンが待ちきれない!


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